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1:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:34:19.40 ID:3eIcWRnS0
須賀京太郎 15歳 春

己の雀力に限界を感じ悩みに悩みぬいた結果

彼がたどり着いた結果(さき)は






感謝であった



2:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:35:40.91 ID:3eIcWRnS0
京太郎「なぁ、咲」

咲「何?」

京太郎「もしさ……俺が麻雀やってなかったら、今頃自分はどんな感じだったと思う?」

咲「え? どうしたのさ、いきなり急に」

京太郎「いや、ふと気になってな」

咲「うーん……そうだねぇ……」
3:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:37:37.31 ID:3eIcWRnS0
咲「とりあえず、京ちゃんは勿論、私も麻雀部には入ってないことになるのかな」

京太郎「俺が連れてきたわけだしな」

咲「てことは和ちゃんや優希ちゃん、部長や染谷先輩のこともよく知らなくて……」

京太郎「うんうん」

咲「……中学の頃と似たような変わらない感じ?」

京太郎「それってさ、今とどっちが楽しいと思う?」

咲「それはもちろん、今だよ!」

京太郎「そっか……なら、やっぱ麻雀には感謝しないとな」
4:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:40:06.31 ID:3eIcWRnS0
咲「それにしても、変なこと聞くね。何かあったの?」

京太郎「なんかさ、申し訳なくなったんだ。麻雀に」

咲「え?」

京太郎「ほら、俺って麻雀弱いだろ?」

咲「まぁ、初心者だし……」

京太郎「俺たちさ、麻雀のおかげでこうして皆と出会って、楽しくやってるわけだ」

京太郎「それなのに、俺はこんなに弱いじゃん。何か麻雀に、申し訳なくなってさ」

咲「……京ちゃん、変なものでも食べた?」

京太郎「俺は真面目な話をしてるんだっつーの!」
5:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:41:39.78 ID:3eIcWRnS0
咲「よくわからないけどさ、弱いのが嫌なら、強くなればいいんじゃない?」

京太郎「そんなホイホイ強くなれれば苦労しねーよ」

咲「プロの人たちだって、最初はみんな弱かったんだよ」

京太郎「と言われてもな……」

咲「それ以外にも、感謝? を示したいなら、色々あるんじゃない?」

京太郎「例えば?」

咲「うーん……卓を拭くとか、部室の掃除をするとか……」

京太郎「それ、いつもやってるわ」

咲「あ、ありがとう……ごめん……」
6:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:42:53.21 ID:3eIcWRnS0
咲「ま、まぁ、京ちゃん初心者なんだから、これからどんどん伸びるよ!」

咲「ほら、私も協力してあげるからさ」

京太郎「伸びる……か。でもなぁ……」



『リンシャンツモ。70符2飜は1200・2300』



京太郎(どれだけ鍛えても……)

京太郎(ああは、なれるとは思えないんだよなぁ)
7:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:43:58.22 ID:3eIcWRnS0






京太郎(お、トップ……初心者卓だけど)カチカチ

京太郎(へへへ……やっぱ楽しいよなぁ、麻雀って)

京太郎(和や優希、部長、染谷先輩……友達もいっぱいできたし)

京太郎(これも全部、麻雀のおかげだよな……)

京太郎(…………)

京太郎(やっぱ、少しでも恩を返したい)

京太郎(咲たちはきっと、次の県大会でも優勝して、全国に行くだろう)

京太郎(でも、俺は全国とかそんな力はない)

京太郎(俺に、やれることは……何か……)

京太郎(……………………)
8:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:45:07.24 ID:3eIcWRnS0
京太郎は考えた。

悩みに悩んだ。



そしてしばらく後、麻雀マットと牌を部屋に持ってきた。



京太郎(よし……明日は休日だな。やるぞ!)
9:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:46:29.33 ID:3eIcWRnS0
自分自身を育て、最高の仲間たちとも出会わせてくれた、麻雀への限りなく大きな恩

自分なりに少しでも変えそうと思いたったのが



一日一万回 感謝のツモ切り!



気を整え 拝み 祈り ツモって 切る

一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒

一万回ツモ切り終えるまでに初日は18時間以上を費やした
10:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:48:02.29 ID:3eIcWRnS0
和「須賀君、どうして机の中にタオルを敷いてるんですか?」

京太郎「授業中に牌の音を出したら、まずいからな」

和「?」



ツモ切り終えれば倒れる様に寝る
11:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:49:19.38 ID:3eIcWRnS0
優希「京太郎、何ニヤニヤしてるんだじぇ?」

京太郎「いや、麻雀への感謝の示し方を見つけてな」

まこ「……京太郎、疲れとるのか?」

久(雑用押し付けすぎたのかしら……)



起きてはまたツモ切るを繰り返す日々

12:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:50:23.31 ID:3eIcWRnS0
一ヵ月が過ぎた頃 異変に気付く



京太郎(…………!)

京太郎(どういう……ことだ……!?)
13:◆cC.wC24o9M:2016/07/31(日) 16:51:35.35 ID:3eIcWRnS0






一万回ツモ切り終えても 日が暮れていない――――――――――





26:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:42:29.76 ID:ooaHK/bZ0
『決まったぁーっ! 長野県代表は、清澄高校!』



県大会が終わる頃 完全に羽化する






京太郎(……9998、9999、10000!)



感謝のツモ切り 1時間を切る!!



27:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:43:29.17 ID:ooaHK/bZ0
久「よーし、全国出場おめでとうパーティー始めるわよ!」

優希「おー……って京太郎、何してるんだじぇ?」

京太郎「祈ってる」

和「最近の須賀君、どうしたんでしょうか……」

咲「個人戦も『いま俺自身が大変でそれどころじゃない』とか言って出なかったしね」

まこ「そっとしておきんしゃい……」



かわりに 祈る時間が増えた


28:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:44:37.52 ID:ooaHK/bZ0
そして



久「……それじゃ、そろそろ暗くなってきたし、今日の部活は終わりにしましょう」

和「そうですね。じゃあ皆さん帰りましょうか」

優希「うむ……って聞いてたか? 今日もそこで祈ってる犬」

京太郎「…………」ツカツカ

咲「京ちゃん?」



タンッ!!
29:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:45:44.54 ID:ooaHK/bZ0
京太郎「…………」

まこ「どうしたんじゃ、京太郎? いきなり牌を切ったりなんかして」

京太郎「……ああ、すいません。そうですね、帰りましょうか……」

京太郎「ふ、ふふふふ……はははは……」

咲「きょ、京ちゃん……?」

まこ「もしかして今度の合同合宿、久にハブられたからおかしくなっとるんじゃ……」

久「そ、そんな! だって連れてくわけにもいかないでしょ!」

優希「そもそも京太郎がおかしいのは、ここずっとだじぇ」

和「…………」

和(いま……須賀君が打った後で、牌の音が聞こえたような……)

和(気のせい、ですよね……)



京太郎の打牌は 音を置き去りにした


30:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:47:02.47 ID:ooaHK/bZ0






京太郎(…………)

京太郎(俺の雀力は、相変わらず最低レベルのままだ)

京太郎(だが、もしあの手が使えれば……誰にも負ける気はしねぇ)

京太郎(確かみんなが行ってる合宿所は、県外に出てすぐそこだったな)

京太郎(……試して、みるか)
31:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:48:15.39 ID:ooaHK/bZ0
合宿所



文堂「うわ、あの卓すごい」

蒲原「入りたくないなー」


咲「…………」

衣「…………」

靖子「あと一人」
32:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:49:45.37 ID:ooaHK/bZ0
久「じゃあ私が入って、久しぶりに本気……」



スッ

京太郎「お願いします」



咲「きょ、京ちゃん!?」

衣「む?」

靖子(……誰!?)
34:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:50:42.55 ID:ooaHK/bZ0
久「す、須賀君!? 何でここにいるの!?」

京太郎「え? いや場所は聞いてましたんで、普通に来ました」

久「そういうこと言ってるんじゃない!」

靖子「おい、誰なんだこの少年は?」

咲「え、えっと……一応、うちの部員で……」

京太郎「清澄一年、須賀京太郎です。咲、天江さん、藤田プロ。ぜひ俺を加えてください」

久「いやいやいや、ちょっと待ちなさい須賀君!」
35:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:51:35.87 ID:ooaHK/bZ0
ニャニャ!オトコガイルシ!
ワハハ、ソウイエバキヨスミハキョウガクダッタナー
アー、オレアイツ、プールデミタコトアルワ
オトコハカエルッスヨ、シッシッ!


京太郎「何か騒がしいですね」

久「誰のせいだと思ってんの! 男子がここに来ちゃダメでしょ!」

京太郎「別に合宿に参加させろってわけじゃないです。一局打つだけですよ」

久「あのねぇ……須賀君は初心者でしょ。あの3人と打ってみなさい、瞬殺されるわよ」

京太郎「大丈夫です。でも今の俺は負ける気がしません」

久「そんなわけないでしょ。今すぐ帰りなさい」

衣「うむ、見たところお前からは何も感じない。衣の相手になるとは思えぬ」

靖子「……まぁ、度胸は認めてもいいけど、初心者が入れる卓じゃない」
36:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:52:19.16 ID:ooaHK/bZ0
京太郎「……確かに俺には、才能は無いかもしれません」

京太郎「ですが、そんなものに頼る必要なんかなくなったんですよ」

衣「ほう、では何を頼るというのだ?」

京太郎「……力、ですよ」

京太郎「才があろうとなかろうと、関係ない。圧倒的な力でねじ伏せる」

京太郎「今の俺には、それができると確信してます」

久「須賀君、ちょっといいかげんに……」

靖子「わかった、須賀君だったかな。そこまで言うなら一局だけ打とうか」

久「えぇ!?」

37:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:53:18.23 ID:ooaHK/bZ0
靖子「少し強くなった初心者が、調子に乗るのはよくあることだ」

久「いや、そもそも彼、ここ一ヵ月以上も打ってる姿さえも見てなくて……」

靖子「久の後輩でもあるし、一度現実ってものを教えてやるのもいい」

京太郎「ありがとうございます! 咲と天江さんも、よろしいですか?」

衣「構わん。だが、衣の麻雀に凡夫が耐えられるとは思えんがな」

咲「きょ、京ちゃん、本気?」

京太郎「よろしくお願いします」

久「はぁ……須賀君、気を失わないようにね」



透華「」ポツーン
38:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:54:37.99 ID:ooaHK/bZ0
京太郎「その前に一つ。俺の後ろに、何か見えますか?」

咲「え? 後ろ?」

衣「……?」

靖子「いや、特に何も。観戦者はいるけど」

京太郎「そうですか……いや、変なこと聞いてすみません。始めましょう」

衣(……この男は、凡夫。それは間違いなきこと)

靖子(だが……虚勢にも見えない、この自信はどういうことだ……?)

咲(京ちゃん……一体どうしたの?)



この場にいる、誰もが見えていなかった。

京太郎の背後の、観音像を。



39:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:55:48.70 ID:ooaHK/bZ0
東1局



靖子「リーチ」

咲(早い……これはオリかなぁ)

衣(さて、お手並み拝見といくか)

靖子(七対子の一索待ち……河に四索がある、ひっかけだ)

靖子(さて、どう出る? 少年)



京太郎「……」タンッ

靖子(なっ……ド真ん中の無筋だと!?)

京太郎「……通し、ですよね?」

靖子「あ、あぁ……」
40:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:56:39.56 ID:ooaHK/bZ0






靖子「テンパイ」

咲「ノーテンです」

衣「ノーテン」

京太郎「テンパイ」

衣「……えっ?」

咲「一索単騎の、形式テンパイ……?」

京太郎「これが当たると、思ったんでな」

靖子(馬鹿な、そんなビタ止め……偶然か?)

京太郎「確信しましたよ……この麻雀、俺に負けはありえないって」

靖子「な、何!?」
41:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:57:40.89 ID:ooaHK/bZ0
東2局



衣「さて、そろそろ御戸開きといこうか」ゴォッ

靖子(始まったか……衣の支配)

咲(一向聴地獄……大会の時も思ったけど、やっぱり手ごわい……)

靖子(しかも、このまま行くと海底は……)

京太郎(…………)
42:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 20:58:57.99 ID:ooaHK/bZ0
京太郎「……リーチ」

咲(え? ラスト一巡でリーチ?)

靖子(衣の支配を突破したか……しかし)

衣「無駄だ。海底をツモるのは衣、有象無象に和了れはせぬよ。リーチだ」

京太郎「へぇ……じゃあ、試してみましょうか」
43:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:00:18.33 ID:ooaHK/bZ0
衣「ふん……何をしようと、この海底で終わりだ」ツモッ

京太郎「…………」

衣「……な……!?」

靖子「どうした?」

咲「衣ちゃん……もしかして、和了れなかったの!?」

衣(馬鹿な……確かに海底は、七筒を感じていた……)

衣(なぜ、七筒ではないのだ!?)
44:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:01:27.13 ID:ooaHK/bZ0
衣「ぐ……」タンッ

京太郎「それです、天江さん。メンピン河底……裏々。満貫ですね」

衣「そ、そんな馬鹿な!?」

靖子「衣が海底で和了れないばかりか、振り込んだ……だと……!?」

京太郎「……いつから……」

衣「……!」

京太郎「いつから『海底は自分だけのもの』と、錯覚していたんです?」

衣「……!?」

京太郎「さぁ、まだ東二が終わっただけです。次いきましょう」
45:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:02:32.84 ID:ooaHK/bZ0
東3局



衣(そんな……なぜ、和了れなかった……)

靖子(手が進む……さっきの衝撃で、衣の支配が弱くなっている……?)

咲「ポン」

靖子(……! 今度は、こっちか……!)

京太郎(咲がポンか。ということは、おそらく……)



咲「カン」

京太郎(やはり、加カン!)
46:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:03:47.55 ID:ooaHK/bZ0
咲(嶺上牌は、四萬。これで、和了る)

京太郎「…………」

咲「……え……そんな……」

衣「……どうした、咲?」

靖子「まさか、お前まで!?」

咲「嘘……なんで、和了り牌じゃないの……」タンッ

京太郎「それだ、咲。タンピン三色ドラドラ、跳満」

咲「なっ……!」

靖子(ぐ、偶然なんかじゃない……この少年は……)

京太郎「さぁ、この親番で決めるとするか」
47:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:05:07.46 ID:ooaHK/bZ0
東4局



衣「うぅ……馬鹿な……」

咲「…………」タンッ

京太郎「咲、その牌……カンだ」

咲「……え……」

京太郎「咲も天江さんも、一つ大きな勘違いをしている」

衣「……なに……」
48:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:06:31.09 ID:ooaHK/bZ0
京太郎「確かに、天江さんは海底、咲は嶺上牌を支配しているのかもしれない」

京太郎「だが……その支配は、絶対的なものではないってことだ」

靖子「……どういうことだ……?」

京太郎「圧倒的に強大で、抗いようのない強さ……牌の神様ですら屠るような力」

京太郎「そんなモノと戦っても、その支配力は維持できるのか?」カシッ

咲「……! カンドラ、モロ乗り……!」

衣「ま、まさか……」

京太郎「見せてやるよ。これがその力……神をも滅ぼす力だ!」

京太郎「ツモ! タンヤオ、嶺上開花……ドラ4! 親っ跳ね、18000!」

京太郎「咲……責任払いで、トビだ」
49:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:07:42.66 ID:ooaHK/bZ0
咲「…………」ボーゼン

衣「……な、何者なんだ、お前は……」

靖子「まさか、君も……牌に愛された子なのか?」

京太郎「いえ、俺に才能はありません。凡夫なのは間違いないでしょう」

京太郎「でも……そんな凡夫でも、力があれば勝てる」

京太郎「たとえ相手が、牌に愛された子……麻雀の神様を味方につけた相手でも」

京太郎「だから、俺は牌に愛された子じゃない。言うなれば……」
50:◆cC.wC24o9M:2016/08/01(月) 21:09:01.59 ID:ooaHK/bZ0



京太郎「『神殺し』須賀京太郎……とでも、呼んでください」



須賀京太郎、15歳。

まだまだ厨二病が抜けきっていない年齢であった。


74:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:17:04.33 ID:4ac8woKk0
京太郎「いや~、あんなうまくいくなんてな」

京太郎「他校の女の子の連絡先もいっぱいゲットできたし、行ってよかった」

京太郎「今のところ俺の最強モテモテ計画、絶好調だ!」

京太郎「本当に麻雀には感謝の言葉もないぜ」
75:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:18:57.61 ID:4ac8woKk0
一週間前



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



東一局



靖子「リーチ」

咲(早い……これはオリかなぁ)

衣(さて、お手並み拝見といくか)

靖子(七対子の一索待ち……河に四索があるひっかけだ)

靖子(さて、どう出る? 少年)
76:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:20:34.33 ID:4ac8woKk0
京太郎(藤田プロからリーチか……うーん、とりあえず筋だし一索でも切りたいけど……)

京太郎(ここで、須賀式観音・参乃掌!)



須賀式観音・参乃掌は

相手の手牌を引き寄せ 即座にもとに戻すという 危険牌の察知等に有用な掌

靖子の手牌を確認し戻すまでの間 0.1秒を切る



京太郎(ふむふむ……って、一索当たってるじゃん! あぶねーあぶねー、別の牌切っとこ)

京太郎(そうだ、せっかくだから無筋を切った方がかっこいいな)タンッ

靖子(なっ……ド真ん中の無筋だと!?)

京太郎「……通し、ですよね?」

靖子「あ、あぁ……」
77:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:21:40.41 ID:4ac8woKk0
京太郎(よーし、次は壱乃掌だ。ツモられちゃ終わりだしな)



須賀式観音・壱乃掌は

山や王牌にある牌をめくり確認し戻す 最もシンプルな掌

都合の悪い牌なら そのまま別の牌にすり替えることも可能



京太郎(ふんふん……げ、藤田プロ次で一索ツモるじゃん。隣の牌と入れ替えとこ)ヒュンヒュン

京太郎(さて、どうしよう。ツモ牌操作すれば俺が和了ることなんて余裕なんだけど……)

京太郎(ここは一発、当たり牌のビタ止めでビビらせときますか!)
80:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:22:58.86 ID:4ac8woKk0
靖子「テンパイ」

咲「ノーテンです」

衣「ノーテン」

京太郎「テンパイ」

衣「……えっ?」

咲「一索単騎の、形式テンパイ……?」

京太郎「これが当たると、思ったんでな」

京太郎(てゆーか、手牌見たから当たり前なんだけど)

靖子(馬鹿な、そんなビタ止め……偶然か?)

京太郎「確信しましたよ……この麻雀、俺に負けはありえないって」

靖子「な、何!?」

京太郎(いける……須賀式観音は、誰の目にも追えてない……)

京太郎(ならば俺に、負けはありえない!)
81:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:24:03.04 ID:4ac8woKk0
東2局



衣「さて、そろそろ御戸開きといこうか」ゴォッ

靖子(始まったか……衣の支配)

咲(一向聴地獄……大会の時も思ったけど、やっぱり手ごわい……)

靖子(しかも、このまま行くと海底は……)

京太郎(うわー、これが噂の一向聴地獄か。確かに全然張れないな)

京太郎(ま、俺には関係ないんだけど。はい壱乃掌)ヒュンヒュン

京太郎(ふむふむ、次順ツモは西か。いらないな……)

京太郎(あ、次の咲のツモ三索じゃん。これ欲しいから俺の西とすり替えとこ)ヒュンヒュン

京太郎(えーっと、このままいくと海底は天江さんか。やっぱ和了るのかなぁ)

京太郎(ふっふっふ……皆の驚く顔が楽しみだぜ)
82:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:24:58.88 ID:4ac8woKk0
京太郎「……リーチ」

咲(え? ラスト一巡でリーチ?)

靖子(衣の支配を突破したか……しかし)

衣「無駄だ。海底をツモるのは衣、有象無象に和了れはせぬよ。リーチだ」

京太郎「へぇ……じゃあ、試してみましょうか」

京太郎(壱乃掌! なるほど海底は七筒で……次は参乃掌!)ヒュンヒュン


この間 0.1秒を切る


京太郎(うえっ、本当に七筒で和了ってるよ! まったく、牌に愛された子ってマジでチートだな……)

京太郎(だがしかーし! 王牌に俺の和了り牌、二萬があるのは確認済みだ!)
83:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:25:53.35 ID:4ac8woKk0
衣「ふん……何をしようと、この海底で終わりだ」ツモッ

京太郎(今だ! 海底と王牌の牌をすり替える!)ヒュンヒュン

衣「……な……!?」

靖子「どうした?」

咲「衣ちゃん……もしかして、和了れなかったの!?」

衣(馬鹿な……確かに海底は、七筒を感じていた……)

衣(なぜ、七筒ではないのだ!?)

京太郎(すんません、俺がすり替えたからっす)
84:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:26:48.41 ID:4ac8woKk0
衣「ぐ……」タンッ

京太郎「それです、天江さん。メンピン河底……裏々。満貫ですね」

京太郎(本当は裏は乗ってなかったんだけど、せっかくだしすり替えておいた)

衣「そ、そんな馬鹿な!?」

靖子「衣が海底で和了れないばかりか、振り込んだ……だと……!?」

京太郎「……いつから……」

衣「……!」

京太郎「いつから『海底は自分だけのもの』と、錯覚していたんです?」

衣「……!?」

京太郎「さぁ、まだ東二が終わっただけです。次いきましょう」

京太郎(き、き、き、気ン持チイイイイイイイイ!!!!!!!)
85:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:27:40.13 ID:4ac8woKk0
東3局



衣(そんな……なぜ、和了れなかった……)

靖子(手が進む……さっきの衝撃で、衣の支配が弱くなっている……?)

京太郎(うーん、いまいちだな……テキトーにツモをいい牌にすり替えとくか)ヒュンヒュン

咲「ポン」

靖子(……! 今度は、こっちか……!)

京太郎(咲がポンか。ということは、おそらく……)

京太郎(カンが、来る!)
86:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:28:28.65 ID:4ac8woKk0
京太郎(壱乃掌! 嶺上牌は四萬か……次は参乃掌!)ヒュンヒュン

京太郎(……四萬頭待ちか。ったく、ほんとにとんでもない連中だな)

京太郎(うんうん、この手牌だと二索は浮くな)

京太郎(対面の山の、左から4番目の上の牌が二索なのは壱乃掌で確認済み……)

京太郎(そして俺は、二索できっちり和了れるようにツモを操作していた)




咲「カン」

京太郎(やはり、加カン!)

京太郎(加カンできないように咲のツモ牌を操作することも、勿論できたが……)

京太郎(俺は、もっとカッコよさを求める!)
87:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:29:21.24 ID:4ac8woKk0
咲(嶺上牌は、四萬。これで、和了る)

京太郎(この瞬間、嶺上牌と二索をすり替える!)ヒュンヒュン

咲「……え……そんな……」

衣「……どうした、咲?」

靖子「まさか、お前まで!?」

咲「嘘……なんで、和了り牌じゃないの……」タンッ

京太郎「それだ、咲。タンピン三色ドラドラ、跳満」

咲「なっ……!」

靖子(ぐ、偶然なんかじゃない……この少年は……)

京太郎「さぁ、この親番で決めるとするか」

京太郎(やっべええええええ須賀式観音最高おおおおおおおおお)
88:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:30:22.02 ID:4ac8woKk0
東4局



衣「うぅ……馬鹿な……」

京太郎(よーし、最後は俺も嶺上開花で決めるとするか! 悪いが咲、トんでもらうぜ!)

京太郎(ん、配牌で二筒が対子か。なら参乃掌! 全員の手牌を確認!)ヒュンヒュン

京太郎(よし、誰の手牌にも二筒はない。じゃあ残り2枚は山か王牌のどこかに……)ヒュンヒュン

京太郎(あった! 1枚を俺がツモるようにして……)ヒュンヒュン

京太郎(あとは、咲に二筒回りを引かせないようにして……これでオッケー!)
89:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:31:06.79 ID:4ac8woKk0
京太郎(よし、張った! タンヤオのみのテンパイ!)

京太郎(そしてあとは、咲のツモに二筒を送り込む! すると……)ヒュンヒュン

咲「…………」タンッ

京太郎(来た!)

京太郎「咲、その牌……カンだ」

咲「……え……」

京太郎「咲も天江さんも、一つ大きな勘違いをしている」

衣「……なに……」
90:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:31:44.68 ID:4ac8woKk0
京太郎「確かに、天江さんは海底、咲は嶺上牌を支配しているのかもしれない」

京太郎「だが……その支配は、絶対的なものではないってことだ」

靖子「……どういうことだ……?」

京太郎「圧倒的に強大で、抗いようのない強さ……牌の神様ですら屠るような力」

京太郎「そんなモノと戦っても、その支配力は維持できるのか?」

京太郎(ここで新ドラ表示牌を、一筒にすり替える!)ヒュンヒュン

咲「……! カンドラ、モロ乗り……!」

衣「ま、まさか……」

京太郎「見せてやるよ。これがその力……神をも滅ぼす力だ!」

京太郎(嶺上牌を、場所確認済みの俺の和了り牌にすり替える!)ヒュンヒュン

京太郎「ツモ! タンヤオ、嶺上開花……ドラ4! 親っ跳ね、18000!」

京太郎「咲……責任払いで、トビだ」
91:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:32:42.04 ID:4ac8woKk0
咲「…………」ボーゼン

衣「……な、何者なんだ、お前は……」

靖子「まさか、君も……牌に愛された子なのか?」

京太郎「いえ、俺に才能はありません。凡夫なのは間違いないでしょう」

京太郎(実際、須賀式観音がなかったらボコボコにされてたわけだし)

京太郎「でも……そんな凡夫でも、力があれば勝てる」

京太郎「たとえ相手が、牌に愛された子……麻雀の神様を味方につけた相手でも」

京太郎「だから、俺は牌に愛された子じゃない。言うなれば……」
92:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:33:54.38 ID:4ac8woKk0
京太郎「『神殺し』須賀京太郎……とでも、呼んでください」

京太郎(決まったああああああああああっ!)



靖子「…………」

咲「…………」

衣「…………」



観戦者一同(((((神殺しはないでしょ…………)))))
96:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:35:47.08 ID:4ac8woKk0
久「ま、まぁ、ともかく……凄いわね、須賀君」

ゆみ「おいおい久。こんな強い一年がいるなんて、教えてくれてもよかったじゃないか」

久「いや、私が知ってる須賀君は弱々だったんだけど……」

和「須賀君、一体何が……ゆーき、何か知りませんか?」

優希「私も何が何だかサッパリだじぇ……地獄の底で悪魔と取引でもしてきたのか……?」

美穂子「須賀君……でしたっけ。今度はぜひ私とも打ってくれないかしら?」

ゆみ「ふむ……それほど強いなら、ぜひ鶴賀にも一度来てほしいところだな」

桃子「ええっ!? ダメっすよ、男は狼っすよ!」

智美「ワハハ、連絡先交換しとこかー? 須賀君」

透華「きーっ! 私より目立つなんて許しませんわ! 倒してさしあげます!」

靖子「……まいったな、とんだ化け物がいたもんだ」

衣「うむ……これほどの力を持ちながら、全く強そうな気配を持ち合わせていないのが更に恐ろしい」

咲「京ちゃん……凄いや……」

ワイノワイノ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
98:◆cC.wC24o9M:2016/08/02(火) 22:36:57.71 ID:4ac8woKk0
京太郎「来てる……俺の時代、完全に来てる……」

京太郎「この調子で、全国でも活躍し、テレビ中継とかされれば……」



和『素敵です須賀君! 抱いてください!』

美穂子『ああんもう、抜け駆けしちゃだめよ!』

桃子『先輩一筋だったっすけど……その、京さんのことも、ちょっといいかなって……』

智紀『須賀君……好き……』

まだ見ぬ巨乳雀士A『あの……私のこと、あったかくしてくれたらなって……』

まだ見ぬ巨乳雀士B『京太郎さん、神社の入り婿とか興味ありませんか?』



京太郎「うへ……うへへへへ……」

京太郎「ありがとう麻雀……感謝、感謝……」

京太郎「待ってろ、全国! 神殺しが大暴れしてやるぜ!」
142:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:42:39.95 ID:EeHgWwo70
全国大会



恒子「決まったぁーっ! 決勝進出は、清澄高校と、臨海女子!」

恒子「清澄は初出場ながら、先鋒の須賀選手の圧倒的リードを保ったまま、余裕のトップ通過!」

健夜「5人とも良い選手ですけど……やはり一番恐るべしは、須賀選手ですね」

健夜「あの圧倒的な支配力、まるで全ての局を意のままに操っているかのようです」

健夜「その力は牌に愛された子と名高い、神代小蒔もまるで勝負になりませんでしたから」

恒子「『神殺し』の異名は、伊達ではないということですね」

健夜「対戦相手は口々に『全く強そうには感じなかった』というのがまた凄まじいです」

健夜「あれほどの力を、完全に隠せるほどに……彼の真の力は一体どれほどなのか、私にもわかりません」
143:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:44:14.53 ID:EeHgWwo70
まこ「よっし、これで決勝進出じゃのう!」

久「ふふふ、覚醒した須賀君を先鋒に置く私の作戦が、うまくハマったわね」

咲「一回戦なんか、京ちゃんのところで3人まとめてトばしちゃったもんね」

京太郎(あれはちょっとやりすぎたな……)

和「こんなに楽な大会になるとは、考えもしてませんでした……」

京太郎「あ、新タコス係。腹減ったからタコス買ってきてくれ」

優希(補欠落ち)「じぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
144:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:45:34.78 ID:EeHgWwo70
京太郎「ふぅ、食った食った。お、あれは……」


イイオモチダッタノデスノダ!!
デネー、ハルチャンガー
ノドカトアソブンダ!!


京太郎「阿知賀女子……そういえば、まだ『触って』なかったな」
145:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:46:27.62 ID:EeHgWwo70
京太郎「適度に離れて……須賀式観音!」サワサワ



宥「きゃあ!」

玄「な、ななななな!?」

灼「ん? どうしたの?」

憧「だ、誰!?」クルッ

穏乃「え?」
146:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:47:48.95 ID:EeHgWwo70
憧「も、もう、シズ! ビックリさせないでよ!」

穏乃「何の話?」

宥「いま、お尻を触られたんだけど……」

玄「めっ、なのです!」

穏乃「えええええ!? 知らないよ!?」

憧「だって、後ろにいたのはシズじゃん!」

灼「私、別に触られてないけど……」



京太郎「次は、こっちだ! 須賀式観音」モミモミ
147:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:48:53.82 ID:EeHgWwo70
宥「きゃああああああっ!」

玄「こ、こら! おもちを揉んじゃいけないのです!」

憧「シズ! いいかげんにしなさいよ!」

穏乃「ぬ、濡れ衣だぁーーーーーっ!」

灼「みんな、何やってるの……」



京太郎「うむ、いいお尻、いいおもちだった」

京太郎「須賀式観音は、もはやカメラのスロー再生でも追えはしない速度。負ける要素は一切なし!」

京太郎「気力の充電もできたことだし、さっさとホテルに戻って寝るか」
148:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:50:05.79 ID:EeHgWwo70
翌日



恒子「さぁ、ついに始まります、決勝戦!」

恒子「制するのは、チャンピオン宮永照を擁する白糸台か!」

恒子「強豪臨海女子か! ダークホース阿知賀女子か!」

恒子「それとも、今大会一番の大活躍『神殺し』須賀選手の清澄か!」

恒子「王者の座をかけて、対局開始だぁーっ!」



京太郎(ふっ……俺の華々しい伝説の、生贄となってもらうぜ!)

玄「よ、よろしくお願いします!」

照「……よろしく」

智葉(何で男なんだ)
150:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:51:01.48 ID:EeHgWwo70
京太郎(チャンピオンに、前回3位、そして阿知賀のドラゴンロード……)

京太郎(まともにやったら歯が立たないだろうが、須賀式観音の前では塵も同然!)

京太郎(さぁいくぜ! まずは軽く壱乃掌でツモを見て……)ヒュン



バチィ!!!!!

京太郎(っっっっっ!?)
151:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:51:52.55 ID:EeHgWwo70
心滴拳聴(しんてきけんちょう)と、呼ばれる現象がある。

真の強者同士がぶつかり合う瞬間にはよくある、時間感覚の矛盾だ。

「死ぬ」という瞬間に時間がスローになり、自分の人生を振り返る……それに近い。

だかこの場合、自分ではなく相手がその時思っていたことを聞き取るのである。



京太郎(ば、馬鹿な……)

京太郎(壱乃掌が、叩き落とされた……!?)
152:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:52:31.93 ID:EeHgWwo70
須賀式観音で牌を見て、戻す。

それに要する時間は、何者にもとらえられぬ、まさに刹那の瞬間。

だが、京太郎はその狭間、確かに聴いた。



『それは、なしだよ。君』


153:◆cC.wC24o9M:2016/08/03(水) 23:53:12.98 ID:EeHgWwo70







震えながら顔を上げたその先は――――――――――

対面。京太郎を射抜く、チャンピオンの瞳。






176:◆cC.wC24o9M:2016/08/04(木) 23:58:39.99 ID:9MTkJqyq0
前日



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



菫「……と、これが向こうのブロックの準決勝の映像だ」

淡「へぇー、なかなか面白そうじゃん。特にこの先鋒の男子、やばすぎでしょ」

誠子「みんな手ごわそうですけど……やっぱりその中でも、飛び抜けてますね」

尭深「……昨年個人戦3位の、辻垣内智葉をも圧倒する力」

菫「どうだ、照? 彼を見て」

照「……今のところ、もう一回巻き戻せる?」

菫「ん、構わんが」
177:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:00:22.26 ID:aVQ4ybnp0
照「…………」

照(おそろしく速いすり替え。私でなきゃ見逃しちゃうね)

照(ていうか、できても普通やる? この大舞台で)

菫「勝てそうか? 照」

照「……これがMAXの速度かどうかはわからないけど、大丈夫」

照「多分、私の方が速いから」

菫「早和了りなら負けない、か。なら心配ないな」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


178:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:01:27.75 ID:aVQ4ybnp0
照「それほどの力を磨きあげたのは褒めてもいいけど、やってることは褒められない」

京太郎「まさか、宮永……照、さん。あなたも……」

照「そう。私も君と似たような力がある」

京太郎「……俺だけの、力じゃなかったってわけか……」

照「私もびっくりした。他の人のを見るのは、初めてだったから」

照「でも、それは不正行為ってやつ。フェアにやらなきゃ」

照「そうじゃなきゃ、真面目に取り組んできた人たちの本気と覚悟に対して、失礼でしょ」

京太郎「くっ……正論すぎて反論のしようがねぇ……」


※圧縮された時間の中での会話なので他の人には聞こえません
180:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:04:07.30 ID:aVQ4ybnp0
照「その能力、いつ身につけたの?」

京太郎「えーっと、かくかくしかじかで……」

照「なるほどね、麻雀への感謝から……って、やってることはむしろ冒涜じゃない?」

京太郎「いや、大会で活躍してモテモテになりたくて……」

照「モテモテって……そういえば、ちょっと小耳に挟んだんだけど……」

京太郎「何ですか?」

照「知ってる? この会場に妖怪がいるって噂」

京太郎「妖怪って、牌に愛された子とか、そういうのですか?」

照「いや、そういうのじゃない。本物の妖怪」
181:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:05:48.76 ID:aVQ4ybnp0
照「選手の女の子たちが、何人も被害に遭ってるみたいなんだけど」

京太郎「どんな妖怪なんです?」

照「なんでも突然、胸とお尻をなでくり回される感触があったとか」

京太郎「…………」

照「うちの尭深と淡も被害に遭ったみたい」

京太郎「…………」

照「……須賀君」

京太郎「そういえば、照さんの能力ってどんなです?」

照「誤魔化し方が強引すぎるけど……まぁいいや、教えてあげる」

ズズズ・・

照「紹介しよう。マジカルエステのサッキィちゃん」

京太郎「うおっ、びっくりした……って、これ……咲!?」
182:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:08:12.13 ID:aVQ4ybnp0
照「咲の写真をずーっとただ眺めたりとか、ペロペロしたりとか……」

照「あと何百枚何千枚と咲を写生してたら、出せるようになった。ついでに身体能力も向上した」

京太郎「変態じゃないっすか!」

照「変態じゃない。ていうかバレないことをいいことに、痴漢を繰り返す君に言われたくない」

京太郎「このサッキィちゃんとやらは、何ができるんです?」

照「性感マッサージとか、オーラをローションにしてのローションプレイとか……」

京太郎「やっぱ変態じゃないっすか!」

照「変態じゃない。ちょっと妹が好きなだけの姉だから」

京太郎「限度がありますよ!」
183:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:09:39.92 ID:aVQ4ybnp0
照「まぁ、痴漢に関してはもう許してあげるから、不正はなしの方向で」

京太郎「……須賀式観音・九十九乃掌!」シュババババ

照「無駄だってば」バシバシバシ

京太郎「ぐぅっ……」

照「速さに特化した能力だし、もっと鍛えれば私よりも早くなるかもしれないけど、今はまだ無理」

照「普通に打とうよ。別に弱いわけじゃないんでしょ?」

京太郎「いや、滅茶苦茶弱いです。何度咲たちに飛ばされたことか」

照「そ、そうだったの……まぁ、自業自得だと思って諦めて」

京太郎「くそぅ、この大会で伝説に残る雀士になって、モテモテになるはずが……」

照「モテたいなら、まっとうな手段で頑張って」



玄(なんだろう……何か濃密な会話が繰り広げられてるような気がするよ)

智葉(なんか知らんが清澄の男子、準決勝よりえらい弱くなってるな……)
184:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:12:43.23 ID:aVQ4ybnp0
恒子「さて、南場に突入! トップは宮永照、そして須賀選手はどうしたことか、ハコ割れ寸前だ!」

健夜「あれぇ……? なんか彼、普通に初心者レベルのような……あれぇ?」



京太郎(駄目だ……ヒラ打ちでなんか、勝てるわけねぇ……)

京太郎(ここまで、なのか……俺の力は……)

京太郎(もう、どうしようもないのか……?)

京太郎(……俺には……何が足りなかった?)
186:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:16:07.73 ID:aVQ4ybnp0



『でも、それは不正行為ってやつ。フェアにやらなきゃ』

『そうじゃなきゃ、真面目に取り組んできた人たちの本気と覚悟に対して、失礼でしょ』



京太郎(……考えてみれば、俺、全然真面目に麻雀やってなかったな)

京太郎(須賀式観音で、牌をすり替えまくって、楽して勝つばかり)

京太郎(最後にガチで打ったのって、何ヶ月前だっけ……?)
188:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:19:57.48 ID:aVQ4ybnp0
京太郎(でも、やっぱり勝ちてえよ、俺)

京太郎(『神殺し』須賀京太郎の伝説は、最後にボコボコに負けて、終わりました)

京太郎(そんなんじゃ、カッコつかねえもんな……)

京太郎(卑怯でも、何でもいい。絶対に勝って、フィニッシュしたい)

京太郎(……そうだ。俺に足りなかったものは、本気と覚悟)

京太郎(この力で、絶対に勝てると思って……安心の上に、あぐらをかいていた……)

京太郎(必要なのは、そう。この対局で、絶対に勝つために……)



京太郎(これで終わってもいいという覚悟!)
189:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:22:33.24 ID:aVQ4ybnp0
その瞬間、京太郎の体が光った。

轟音と共に、爆風が弾ける。



玄「きゃあっ!」

智葉「な、何だ……!?」

照「……!」






「This way……」ゴゴゴゴゴ・・



190:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 00:24:17.51 ID:aVQ4ybnp0
照「なっ……!」

智葉「」パクパク

玄(あれ? 清澄の男の子、急に老けたような……気のせいかな?)



そこにいたのは、全身の筋肉が膨れ上がり。

髪を大きく逆立たせた、大男であった。

控室の咲たちも、実況も、大勢の観戦者たちも。

誰もが、その異様な光景に呆然としていた。

状況を理解できたのは、ただ一人。



照(方法はわからないが、強制的に成長したんだ……)

照(私を倒せる年齢(レベル)まで!)
206:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:37:25.95 ID:aVQ4ybnp0
京太郎「……南1だ」

照「くっ……」

京太郎「さいしょは、北……」タンッ

ヒュンヒュンヒュン

京太郎「……ツモ。倍満」

照(……! 観音の腕が、捉えられない……!)

照(雀力は大して変わってなさそうだけど、やっぱり能力の向上が半端ない!)

照(駄目だ……止められない……!)
207:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:38:22.20 ID:aVQ4ybnp0
京太郎「ロン。跳満」


もう これで 終わってもいい


京太郎「ロン。倍満」


だから ありったけを


京太郎「ツモ。倍満」
208:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:39:40.61 ID:aVQ4ybnp0
照(すり替えを、追いきれない! 速すぎる!)

京太郎「ロン。跳満」



玄(こ、これが『神殺し』の本気なの……!? 強すぎるよ……!)

京太郎「ツモ。三倍満」



智葉(普通の麻雀させてくれ……)

京太郎「ツモ。跳満」
209:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:42:27.14 ID:aVQ4ybnp0
照(この一局に、持ちうる才能と資質をすべて投げ出した)

京太郎「ロン。倍満」

照(生涯にわたって、麻雀を打てなくなってもいい)

京太郎「ツモ。跳満」

照(それほどの覚悟をもって……!)



京太郎「ツモ。純正九蓮宝燈……終わりだ」
210:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:43:32.45 ID:aVQ4ybnp0
恒子「な、なんと、先鋒戦で須賀選手が、他3人を飛ばして終了!」

恒子「これが、須賀京太郎! これが、神殺し! 強い、圧倒的に強い!」

恒子「優勝は、清澄高校だぁーっ!」



玄「」チーン

智葉「」チーン

京太郎「…………」

照「……やられたよ。君の覚悟を、甘く見ていたね」
211:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:44:41.82 ID:aVQ4ybnp0
照「おめでとう。これで須賀君は、伝説を作った」

京太郎「…………」

照「でも、それほどまでに力を使い切っちゃったら、もう能力は使えないね」

京太郎「…………」

照「そんな体になってまで……君は本当に、それでよかったの?」

京太郎「…………」

照「……須賀君?」

智葉「……おい、まさか……」

玄「……えっ?」

智葉「こ、こいつ……」
212:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:45:28.05 ID:aVQ4ybnp0






         「死んでいる……」





214:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:46:46.45 ID:aVQ4ybnp0
一年後



久「何とか、晴れてよかったわね」

まこ「そうじゃのう。雨の墓参りってのも、それはそれで風情あるかもしれんが」

咲「……もう、一年になるんだね。あの時から」

和「今でも、昨日のことのように思い出します……」

優希「えっと、京太郎の墓は確か……」

久「あのへんだったわね……あら? 誰か先客がいるわね」
215:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:48:09.43 ID:aVQ4ybnp0
照「……ん、咲?」

咲「お姉ちゃん!?」

久「あら、宮永プロも須賀君の墓参りに来てくれたの?」

和「確か、大会の解説を担当していたのでは?」

照「私の担当分はもう終わったから……だから帰省ついでに、ちょっとね」

咲「そうだったんだ……」

まこ「宮永プロは、京太郎とあの一局を打ったんじゃからな……しかも地元となれば墓参りにも来るか」

照「それもあるし……彼は私にとって、特別な存在だったから」

優希「じぇじぇっ!?」

咲「お、お姉ちゃん、まさか京ちゃんのこと……!?」

照「いや、それはない。断じて」

照「ただ……特別な力を持ちあった仲だから。もしかしたら、世界で唯一……ね」

咲「……?」
216:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:49:24.85 ID:aVQ4ybnp0
照「そういえば、大会……惜しかったね」

咲「うん。残念だけど、一歩及ばなかったよ」

咲「でも、正直ちょっと安心もしたんだ。あんな優勝なら、もう二度とゴメンだから」

優希「咲ちゃん、すごい勢いでワンワン泣いてたもんなー」

咲「ゆ、優希ちゃんだって……ていうか皆、そうだったじゃん!」

和「まぁ、負けたおかげで、こうして須賀君の命日に来れましたしね」

まこ「わしらも頑張ったんじゃが……やはり、埋めきれんかったのう」

まこ「久と……京太郎の、抜けた穴は」

久「あはは、須賀君と並べられると、私はおまけにもならないわよ」

照「…………」
217:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:52:09.87 ID:aVQ4ybnp0
えり『準々決勝、終了です。前年度優勝の清澄高校、ここで姿を消しました』

咏『ん~、今年の清澄も強いは強いんだけど、やっぱ須賀君がいればって思っちゃったねー』

えり『須賀選手……去年の団体の話題は、彼一色でしたね』

咏『そりゃもう、あれほどまでに圧倒的だったんだから、そうもなるさ」

咏『彼の雄姿は、きっと見てた人全員が、一生忘れない』

咏『この大会に永遠に残り続ける、伝説になるだろう』

えり『……そう考えると、今後の選手たちは、ある意味厳しくなりましたね』

咏『そうだねぃ。どんだけ活躍する選手が今後出てきても、どうしても言われちゃうだろうさ』

咏『「強いけど、須賀京太郎には及ばないだろう」……ってね』
218:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:52:55.78 ID:aVQ4ybnp0
淡『あーあ、清澄負けちゃったか。テルーの妹と打つの、楽しみだったんだけどな』

誠子『こらこら、まだ私たちが決勝に行けると決まったわけじゃないぞ』

菫『でも、残念は残念だな。特に照はそうだろう』

照『咲をなぐさめるついでに、イチャついてくる』

尭深『相変わらずですね……』

淡『……須賀君がいれば、きっと勝ってたのにな……』

照『……!』
219:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:54:14.30 ID:aVQ4ybnp0
誠子『おい、淡』

淡『だってぇー、亦野先輩もそう思うでしょ。化け物みたいに強かったんだもん』

誠子『まぁ、それは否定しないけど』

淡『ついでにカッコいいって、私の学年では人気だったんですよ』

尭深『あ、私の学年でも、一緒に打った宮永先輩を羨ましがってた子いました……』

菫『生きていれば、どれほどの雀士になったんだろうな……正直、神殺しって二つ名はどうかと思うが』

誠子『ほらほら、それよりも次の相手の研究だ。先輩方が応援にきてくれてる前で、みっともない試合するなよ』

淡『あー、去年の準決勝の亦野先輩みたいな?』

誠子『なんだと!』



照(…………)
220:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:55:01.12 ID:aVQ4ybnp0
『くそぅ、この大会で伝説に残る雀士になって、モテモテになるはずが……』

『モテたいなら、まっとうな手段で頑張って』



照(須賀君、君の願いは叶ったよ)

照(一年たっても、みんなが君の噂をしてる。みんなが君を覚えてる)

照(今の君は、空の向こうで、笑顔でいられてるのかな?)
221:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:56:12.24 ID:aVQ4ybnp0
ビュオオオッ!!


照「ん……」

和「きゃあっ!」

久「!」

優希「じぇっ!」

咲「……ふぅ、びっくりしたー。いきなり凄い風が吹くんだもん」

和「……今の……ただの風、ですよね?」

まこ「それ以外に何かあるんか?」

和「あ、あの……気のせいかもしれませんが……その……」

優希「和ちゃん、どうしたんだ?」

和「……胸とお尻を、その……撫でられたような……」

久「え、和も!?」

照「…………!」
222:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:57:03.89 ID:aVQ4ybnp0
咲「私は、ただの風としか……」

優希「私もだじぇ」

まこ「二人の勘違いじゃないんか?」

久「う、うん……そりゃそうよね……」

優希「……いや、これはきっと天国の京太郎が、風に化けてエロエロなことをしようとしたんだじぇ!」

咲「あはは、まさか」

和「そんなオカルトありえません……」

優希「そうとは限らんじぇ。何せここは、あのエロ犬の墓前だからな! エロエロの霊がいるじぇ」

まこ「そんな霊、おったとしたら、あの世で仏罰を食らうぞ」

照「……いや、そうかもしれない」

咲「お姉ちゃん?」
223:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:58:26.47 ID:aVQ4ybnp0
照「世の中にはいろんな人がいるんだし、きっとあの世にもいろんな人がいる」

照「だから、もしかしたら、女の子の胸やお尻を触るのが大好きな、ちょっとエッチな神様」

照「……いや、仏様だっているかもしれないよ」

照「空の向こうの須賀君も、もしかしたら、そんな感じかも」

久「えらい煩悩にまみれた仏様ね……」

まこ「少なくとも、御利益はなさそうじゃのう……」

優希「でも、もしそうなら、触ったのは和ちゃんと竹井先輩だけってわけか」

優希「……って、くぉらー! 私をスルーするとはどういうことだ、京太郎ー!」

咲「ぷっ……あはははは!」

まこ「やれやれ、いてもいなくても騒がせてくれる奴じゃのう、京太郎は」
224:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:59:18.15 ID:aVQ4ybnp0
まこ「さて……じゃあ、そろそろ帰るとするかの」

久「私はちょっと、大学の方に寄ろうかしら」

和「インカレでも活躍中ですからね、竹井先輩は」

優希「咲ちゃんのお姉さんは、どうするんだじぇ?」

照「とりあえず、咲と一緒に実家に戻ろうかなと」

咲「お父さんも喜んでたよ。久々に照に会えるって」

照「よし、咲。姉妹水いらずで、一緒にお風呂でも入ろっか」

咲「お、お姉ちゃん……なんか目、怖いんだけど……」
226:◆cC.wC24o9M:2016/08/05(金) 23:59:58.93 ID:aVQ4ybnp0
優希「よし、それじゃあまたなー! 京太郎!」

和「また来年の今日、お会いしましょう、須賀君」

まこ「おいおい、それじゃ大会負けてる前提になるぞ」

和「そ、そうでした……」

久「ふふ、須賀君なら数日遅れでも許してくれるわよ」

咲「じゃあね、京ちゃん!」

照「…………」
227:◆cC.wC24o9M:2016/08/06(土) 00:00:48.08 ID:VvDyf2sa0
ねぇ、須賀君。

君は麻雀に出会えて、幸せだったかな?

何度も何度も負かされて、挫折して、苦しんで。

そして、一瞬の栄光と引き換えに、命を落として、それでも満足できたのかな?

今となっては、私には分からないけど、一つだけ言えることがあるよ。

須賀君、君のことは誰もが忘れない。

清澄高校一年『神殺し』須賀京太郎。最強の雀士として、みんなの心に残り続ける。

それだけは、間違いないよ。
229:◆cC.wC24o9M:2016/08/06(土) 00:02:11.47 ID:VvDyf2sa0
照(60年先か、70年先か……いつか私も、そっちに行くからさ)

照(そうしたら、また一緒に打とうか。もちろん、ズルはなしでね)



咲「さっ、行こう。お姉ちゃん」

照「……うん、いま行く」
230:◆cC.wC24o9M:2016/08/06(土) 00:02:51.72 ID:VvDyf2sa0


最後に、くるりと墓へ振り返る。




照「またね、須賀君」




応えるように、ふわり、と。

一陣の風が、胸を撫でていった気がした。








END
231:◆cC.wC24o9M:2016/08/06(土) 00:03:40.69 ID:VvDyf2sa0
以上です。ありがとうございました。
HTML化以来は明日出します。
232:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/06(土) 00:03:42.12 ID:DMaCuLrf0
撫でれるほど胸があるんすかねぇ
236:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/08/06(土) 00:07:30.89 ID:eltIhRsx0
いい話になってて草生える
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8月7日 21時00分|咲-Saki-0コメント

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