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1:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 22:59:08.44 ID:Fo4ybXgG0
春香「天海ブリリアントパーク!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418463140/
やよい「天海ブリリアントパークですー!」【第二話】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422007266/
雪歩「天海ブリリアントパークですぅ...」【第三話】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436014549/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448632748
2:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:00:15.76 ID:Fo4ybXgG0
ここは天海ブリリアントパーク。

数々のアトラクションが並ぶ、正真正銘のテーマパークである。

総動員数は他と比べれば少ないが、ほぼ0から始まった事実を考えれば大きな進歩である。

他とは違う、摩訶不思議で笑顔の集まるテーマパーク。

いくつもの壁を乗り越えてきたテーマパーク。

アイドルの顔。

キャストの顔。

二つを持つ彼女達は業界をどう渡っていくのか?

そして――――

天ブリ最大の壁、事故の真実に近づくのであった。
3:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:01:12.62 ID:Fo4ybXgG0
水瀬伊織「ようこそー!天海ブリリアントパークへー!」

高槻やよい「ようこそー!」

伊織「こちらシューティング体験の出来るアトラクションとなっておりますー!」ニッコー

やよい「楽しんでいってくださいー!」

伊織「(なんで私がこんなことしてんのよ~!)」ピクッピクッ



―――遡ること数時間前―――


4:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:02:05.27 ID:Fo4ybXgG0
伊織「アンタがここの支配人?」

P「支配人はこの天海春香です!」

春香「支配人です!」ギクシャク

伊織「.....じゃあアンタは?」

P「はい、コチラになります」

伊織「765事務所プロデューサー.....プロデューサー!?」

P「アイドルの世話をしています」

伊織「アイドル!?パークの管理もしながら!?」

P「はい、少々骨は折れますが」

伊織「アンタ一体何者なの...?まぁいいわ。....で、このパークの...」

ガチャ!

小鳥「プロデューサーさん!ゲストが多すぎて対応が!」

P「えぇ!?でも今は...」

伊織「いいわよ行って。私も色々見たいし」

P「ありがとうございます。....それであの、もし宜しければ、ひとつお願いがあるんですが」

伊織「なに?」

P「手伝って頂けませんか?」

伊織「え?」
5:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:03:07.11 ID:Fo4ybXgG0
@現在に至る 西エリア(キラメキラリ)


客「すいませーん、あと何分待ちですかー?」

伊織「はい♪あちらの表示通り約20分になっております~。お待たせして申し訳ありませ~ん」キラキラ

客「今日ってバッヂ貰えるんですか?」

伊織「高得点を獲得すればお渡し致します~!」キラキラ





伊織「......ふーっ...ひと段落着いたわね...」

やよい「スゴイね伊織ちゃん!お客さん何人もハイハイハイって!」

伊織「当り前よ!水瀬プライヴェイトパークの支配人なんだから!」キラーン

やよい「尊敬しちゃうな~!」

伊織「充分に尊敬してくれてかまわないわよ?」

P「本当に助かりました水瀬さん」

伊織「私をこんなコキ使うなんてアンタぐらいだわ。高くつくわよ」

P「え.....いくらですか?」ダラダラ

伊織「冗談。その変わり、色々聞いてもいいかしら?」

P「はい、答えられるモノなら何でもかまいません」

伊織「了解」
6:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:04:18.73 ID:Fo4ybXgG0
伊織「まず、どうしてこんな値段が安いわけ?」

P「うちは金儲けのために経営していません。あくまでアイドルの宣伝のためです。『直接会えるアイドル』を目指しています」

伊織「そうね、このパークのアトラクションは無駄なコストがかからないものね」

P「ご存知でしたか.....」

伊織「地元の新聞のみならず、大手新聞会社並びにテレビ局の報道もあったし。やっぱり放送されるとゲストの入りに変化はあったかしら?」

P「それならそちらの方がお詳しいでしょうに。はい、効果は絶大です」

伊織「そう、うちはもう散々テレビも広告もお金を掛けてるから変化にあまり気付かなくなっただけ」

P「僕達も一度言ってみたいです...ハハハ」

やよい「前は一日10人くらいだったんですけどねー」

伊織「そんなにいなかったの....?アンタ達苦労してるのね...」

P「はい...」
7:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:05:27.53 ID:Fo4ybXgG0
やよい「伊織ちゃんは普段お客様の対応してるの?」

伊織「私は支配人だから、指示するだけよ」

やよい「偉い人なんだね~。春香さんもいっぱい指示してくれればいいのに」

伊織「春香....?あぁ、支配人の」

P「彼女は支配人ですが、指示するよりも動く方が好きとの事で」

伊織「変わってるのね...ま、その方が宣伝になっていいかもしれないけど。そういえば、やよいもアイドルなの?」

やよい「うん!まだまだだけど、ちょっとずつテレビに出てるんだ!」

伊織「楽しい?」

やよい「とっても楽しいよー!ここもそうだけど、歌って踊ってファンの皆が喜んでくれるし!好きな事をしてお金を稼げるって幸せかなーって!」

伊織「そう....アイドルねぇ」
8:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:06:45.68 ID:Fo4ybXgG0
伊織「で、アイドルとキャスト、これはどう両立するわけ?」

P「それは」

伊織「テーマパークの動員数が増えるにつれ、アイドルの宣伝に繋がり、仕事が増える。そうしたら両立なんて出来っこないわ」

P「.....」

伊織「それに....さっきアンタが言った『直接会えるアイドル』って、ただテーマパークに来るだけでステージよりも近くでアイドルを見れるなら、誰もライヴなんて来やしないわ」

P「....わかっています。どっちも来たくなるようなアイドルを目指しています。それに、これは俺が決めることは出来ません。彼女達が決める事です」

伊織「時間はないわよ」

P「はい....ご忠告、ありがとうございます」

伊織「それじゃ、今日の所はこれで失礼するわ。ここについてまだ調べたい事も学びたい事もあるし」

P「学ぶだなんてそんな」

伊織「短期間でここまで昇りつめてくるなんて、何かあるはずだわ。それを暴いてやるんだから」

伊織「アンタがここに入って数カ月の間......何かが起きた。至る所に不思議はあるけど、一番の謎はアンタよ」

P「お、俺...?」

伊織「まぁいいわ。それじゃあね、やよい」

やよい「じゃあね伊織ちゃん!また来てね!」

伊織「えぇ」


スタスタスタ......



P「......」

やよい「プロデューサーはプロデューサーですよね?」

P「あぁ...俺はプロデューサーだよ。間違いなく....」
9:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:08:15.47 ID:Fo4ybXgG0





高木「......ふむ、その様に話していたと...」

P「はい。一つ気になったんですが、水瀬支配人はここと直接的な関係が?」

高木「うむ、前のパークと連結している部分があってだね、その跡地である天ブリとは関係ないのだよ」

P「そうでしたか...」

高木「すごい詮索力だろう?水瀬財閥だからね、それほどの力も金も備えているさ」

P「あれでうちが隠し事をしていたら一発撃沈でした」

高木「おいおい、うちは何も隠蔽してないぞ?ハッハッハ!」

高木「....だが、水瀬財閥の方がこの前のテーマパークの情報を持っているとみている」

P「社長も知らない情報をですか?」

高木「私はあくまで再建者だ。引き継いだわけではない」

P「動員数は稼げているものの、事故物件のレッテルは剥がせていませんからね」

高木「あぁ。私も全力を尽くすが、一緒に頑張ろう」

P「はい、宜しくお願いいたします。では仕事に戻ります」

ガチャ バタン

高木「.........事故...か」
10:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:09:13.96 ID:Fo4ybXgG0
律子「何かゲストから不満の声とか聴いた?」

春香「そうですね....レストランがあるといいなーって」

真「それボクも聞いた」

雪歩「休む場所も欲しい、とか。あと喫煙所とか」

美希「うーん、さすがに喫煙所はダメだよね」

律子「そうね。テーマパークに喫煙所なんて必要ないし、ましてや子供の遊び場だからそこは我慢してもらうしか」

雪歩「あと、プールとかも欲しいって!」

律子「プールかぁ....そう都合よく出現してくれればいいけど....ありがとう、コチラでも何か対処しておくわ!」

P「律子、『Cast a spell』は稼働するか?結構問い合わせあるぞ。今日は割と電話対応も俺と音無さんで大丈夫そうだし、好きにしていい」

律子「じゃあお言葉に甘えていいですか?」

P「もちろん、存分に楽しませてあげてくれ」

律子「はい!」
11:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:10:34.75 ID:Fo4ybXgG0
P「それではお先に失礼します」

春香美希「お疲れ様です(なのー」

高木「うむ、お疲れ!」


@天ブリ 一般道路


P「んー......今日も一日働いたなぁ」

美希「本当、前までは働いたカンジなかったけど、今は実感できてる」

春香「今日もぐっすり眠れそう...ふぁあっ....」

P「春香、美希みたいだな」クスッ

春香「えぇ!?あぅ...恥ずかしい...」カァ

美希「どういうコトなの~」

P「さ、暗くなる前に帰ろう」

美希「明日仕事だから早く寝るの」

P「いい心構えだ。しっかり睡眠は取るように」

春香「あっ!」

美希「どうしたの春香?」

春香「あれ!千早ちゃんじゃない!?」

美希「え!」

P「千早....ちゃん?」

春香「おーい!千早ちゃん!」

美希「千早さーん!」

「!」
12:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:12:21.11 ID:Fo4ybXgG0
春香「久しぶり千早ちゃん!」

如月千早「二人とも...久しぶり」

P「お友達?(何故花を持っているんだ?花屋の帰りか?)」

春香「千早ちゃんは天ブリが無名の時からずっと来てくれてたお客さんなんです!」

P「.......まさか、来場者が一人の時って....君?」

美希「そうだよ、ずっと千早さんが来てくれたの」

P「ありがとうございます。天ブリを支えてくれて」

千早「私は別に...」

P「ここのアトラクションが好きなの?」

千早「.......」

P「(あれ.....?地雷踏んだ?)」

P「あぁいいんだ!好きなら....それで」

千早「........いえ、私の方こそすみません」

美希「?」
13:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:13:16.37 ID:Fo4ybXgG0
千早「あの.....どこかで会いました?」

P「え?....いや、ごめんなさい。覚えてない.....」

千早「変なことを聞いてすみません....」

千早「春香、美希、どう?アイドルは楽しい?」

春香「うん!最近はお仕事も段々増えてきたよ!バラエティ中心だけど」

千早「美希は?」

美希「ミキは歌やバックダンサーの仕事が多いかな」

春香「私も歌番組出たいなぁ」

美希「春香はもうちょっと音程整えるの」

春香「えぇ!?もうミキ~!直球に言わないでよぉ!」

P「ハハハ」

春香「こうなったら千早ちゃんにレッスンしてもらうしか!」

P「レッスン?」

美希「千早さんは歌がとーっても上手なの」

千早「そ、そうかしら.....ありがとう」

P「.....」
14:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:14:32.54 ID:Fo4ybXgG0
P「えーっと、千早さん?」

千早「はい?」

P「あっ、急に名前呼びでごめんなさい。名字がわからなかったから....」

千早「別にかまいません」

P「そっか......あの単刀直入に聞くんだけど」

P「アイドル、やってみない....?」

春香「え!」

美希「いい考えなの!」

千早「私が......春香や美希と同じ、アイドルに?」

P「あぁ。社長みたいにティンときたというか....歌も上手らしいし、ビジュアルもいい。どう?」

千早「.....アイドルのことは詳しくありませんが、歌えるなら...」

千早「お引き受け致します」

P「本当か!?」

千早「はい」

春香「やった!これで千早ちゃんも天ブリの一員に!」

千早「それはないわ、春香」

春香「え...?」
15:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:16:42.02 ID:Fo4ybXgG0
@翌日



P「挨拶回り基本だから、しっかり付いてきてね」

千早「はい」

P「まずはBBS、ここにはいつも世話になってて...」

P「CDデビューは、もう少しレッスンを積んでからにしよう。千早さんは元から上手だけど、一応本格的なレッスンは体験しておいた方がいいと思う。やっぱり受けるのと受けないじゃ違うから」

千早「承知しています」

千早「あと、さん付けもいらないです」

P「わかった。よし、じゃあ次は音響さんの方にも行ってみよう」










P「これで、挨拶は終了。お疲れ様」

千早「お疲れ様です」

P「それにしても千早さん.....千早は本当に歌が上手だね。音響さんも「試しに歌ってみれば?」って言ってたのに、後半はずっと驚いてた。こりゃCDデビューも遠くない」

千早「ありがとうございます」

P「歌は昔から好きだったの?もしかして何かやってた?」

千早「....いえ、何も....」

P「そ、そう......」




如月千早は何かを隠している――

ただの直感だった。

しかし、プロデューサーたるものアイドルの悩みは知っておくことが仕事の内ではあるが、

―――――触れてはいけない気がした。

如月千早の過去には......
16:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:18:00.73 ID:Fo4ybXgG0
@午後


P「社長、今月の総動員数と売上です」

律子「コッチも765プロ取材の件と後日行われるオーディションのエントリー表です」

高木「目を通しておくよ。順調かな?」

P「はい、アトラクションも増え、それに応じてゲストの満足度も問題ありません。実施しているアンケートにも不満は見受けられません」

高木「そうか。事故に関して何か新しい事は?」

P「特には...まぁたまに問い合わせが来る程度でそれほど問題ではないと見ています」

律子「でも早いとこ拭っておかないと、どうなるかわかりませんよ」

P「用心してるさ。色々手を打ってる」

高木「とりあえず、予算及び売上その他は私が最終確認をしておくから、君たちは通常業務に戻りたまえ」

P律子「はい」
17:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:19:05.79 ID:Fo4ybXgG0
@レコーディングスタジオ


P「CDデビューから始まって、2曲3曲...段々とテレビやラジオ出演も増えてきて...売れてきたんだなぁ」

雪歩「はいっ...夢のようで」

P「それもこれも天ブリのおかげだ」

雪歩「私、また天ブリに帰ってきて良かったと思ってます」

P「俺も雪歩が来てくれて良かったと思ってる」

雪歩「えへへっ...」

P「後はバイトをもう少し増やして、765自体の展開を...」

雪歩「ぷ、プロデューサー!あれ!!」

P「うん?....うぉ!?人が倒れてる!!」

タタタッ!

P「大丈夫か!?しっかりしろ!」

雪歩「起きてください~!」

?「.....」

P「意識がないのか...?きゅ、救急車!」

?「ま、待って....」

P「!」

P「ど、どうした!」

?「お腹が......」

P「お腹が!?」

?「減った.....ぞ」

P「.......え?」
18:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:20:15.78 ID:Fo4ybXgG0
@レストラン


?「本当に助かった....ありがとうございました!」ペコリ

P「いやいや....それにしても」

? バクバク! モグモグ!ズルズル~!

P「す、凄い食欲だね...」

雪歩「スゴイ....」

?「貴音はよく食べるからね」

P「貴音?あの子の名前?」

?「あ、うん!貴音、自己紹介が先だぞ」

四条貴音「助けていただいたのに紹介が遅れて申し訳ありません。わたくし、四条貴音と申します」

我那覇響「自分、我那覇響!」

P「四条さんと、我那覇さんだね。どうして二人は倒れてたの?」

貴音「それについてはわたくしが説明致しましょう」フキフキ

雪歩「丼ぶり10皿積んでる...」
19:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:21:24.87 ID:Fo4ybXgG0
貴音「わたくし達はある方に呼ばれ上京してきました。しかし道に迷い途方に暮れ、食べることも忘れ、探した結果あのような事態に...」

P「上京って、二人はどこ出身なの?」

響「自分は沖縄」

雪歩「沖縄!」

貴音「わたくしは京から」

P「随分と遠い所から来たんだね...。人に呼ばれてるんでしょ?だったら急いだ方がいいんじゃない?」

響「うん。貴音、もうお腹いっぱい?」

貴音「腹八分目、といったところでしょうか」

P「そ、それでもまだなのか...」

響「じゃあお会計」

P「ここは俺が払うよ。連れ込んだのは俺だし」

響「それは!」

P「気にしないで」

貴音「なんと...お礼を言ったらいいのか...」

P「いいっていいって。第一、年下の子に払わせちゃ悪い気するし」




会計「ご、5万円になります...」

雪歩「ひ、ひぃぃぃ!!」

P「こ....今月のボーナスがパア....」
20:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:23:03.64 ID:Fo4ybXgG0
P「地図とか持ってる?」

響「これなんだけど...」ガサガサ

P「えーっと....あっ、そう遠くはないね。あそこの駅を使えば20分くらいで着くよ」

貴音「それは真ですか!」

P「うん。送らなくても大丈夫かな?」

響「大丈夫!自分は完璧だからな!道になんか迷わないぞ!」

貴音「響、それをふらぐ、と言うのでは?」

響「何でそんなこと知ってるんだ貴音ぇ...」

P「あっそうだ」ガサゴソ

雪歩「?」

P「一体何の目的かは知らないけど、俺、こういう者なんだ」メイシ

響「....765PRO、プロデューサー?」

貴音「なんと....」

P「アイドル事務所のプロデューサー、俺は君たちを魅力的だと判断した。もし良かったらアイドルに―――」

貴音「これは...お引き受けできません」

響「うん」

P「........あぁ、ふ、普通そうだよな....別の目的があるしな.....ごめん」

貴音「貴方には大変感謝していますが、お引き受け出来ません。なにせわたくし共、その目的でここに来たのですから」

雪歩「え?」

響「自分達、アイドルになるために上京してきたんだ。地元でその人にスカウトされてね、来てみないかって」

P「.....そうだったのか。引き抜くようで大変悪いことをした」ペコリ

響「全然悪くなんかないぞ!言わなかった自分達が悪いんだから!」

P「いいや....ちなみに、どこにスカウトされたのかな?」

響「うん、それはね」

響「――――961PROってところなんだ」

P「.....961PRO....だって.....?」
21:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:23:51.11 ID:Fo4ybXgG0
雪歩「.......やっぱり気がかりですか?」

P「...あぁ、他の事務所ならまだしも961プロだ。雪歩を苦しめたあの...」

雪歩「私はもう...気にしてないですから」

P「しかし、俺には961プロが脅威でないとは思わない。社長からも仲が良くないと聞くし」

雪歩「.....」

P「心配しなくていい。俺がなんとかするから...」

雪歩「プロデューサー....」
22:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:25:21.96 ID:Fo4ybXgG0
@天ブリ


伊織「それでセバスチャンったらご飯を催促して」

やよい「うっうー!可愛いかもー!」

P「水瀬さん、いらしてたんですか」

伊織「あら、誰かと思えば突拍子もないことをいう変人プロデューサーじゃない。売り込みにでも行ってたのかしら?」

P「レコーディングを」

伊織「そう」

P「水瀬さんはどうしてここに?」

伊織「前回に引き続き偵察に来ただけよ。そしたらやよいと会ったから話してるだけ」

やよい「伊織ちゃんのお家ってお金持ちだから、私と違くてすっごく面白いんです!」

P「それはよかったな」ナデナデ

やよい「えっへへ~」

P「とはいっても、うちは偵察されるほどのものは.....」

伊織「そうね、ないわ」

P「やはり....」

伊織「だって、似ているんだもの」

P「似ている....とは?」

伊織「うちとここ。水瀬プライヴェイトパークと似てるって言ってんの。アンタもしかしてうちの常連?」

P「いえ、一度も行ったことはありません」

伊織「.....怪しいわね。ま、アンタが怪しいのは今に始まったことじゃないからいいけど」

やよい「でも伊織ちゃん、プロデューサーは他の人の真似したりするような人じゃないって思うよ?」

P「こらこら、やよい」

伊織「知ってるわ。だって、そんなこと出来る根性なさそうだもの」

P「アハハ.....ごもっともです」
23:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:26:25.67 ID:Fo4ybXgG0
やよい「プロデューサー、もう用意したほうがいいですか?」

P「そうだな。今から着替えて.....ちょうどいいかもしれない」

やよい「じゃあ着替えてきますー!」

伊織「なに?イベントでもあるわけ?」

P「料理番組の収録です」

伊織「そういえばアンタ、プロデューサーだったわね」

P「はい」

伊織「ふーん.........」

P「あの水瀬さん、よろしければ見学とかどうです?」

伊織「なっ!?アンタ私をスカウトする気!?」

P「何か興味がありそうでしたので...」

伊織「興味なんてないわ!バッカじゃない!?.....まぁでも、社会勉強と思えば...」

伊織「.....いいわ。見学してあげる」

P「では参りましょう」

伊織「...........社会勉強のためなんだからっ」ボソッ






伊織「電車!?」

P「はい」

伊織「てっきり車で行くのかと思ったわ...何て効率の悪い....」

P「そうでもないですよ。あまりに遠いと電車料金の方が安くつきますし。な、やよい」

やよい「安いって最高ですよねー!」

伊織「仕方ないわね~.....電車なんて何年ぶりかしら」

やよい「伊織ちゃん、引きこもりなの?」

伊織「.......」
24:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:27:48.20 ID:Fo4ybXgG0
@TV局


やよい「高槻やよいのー!うっうー!お料理さしすせそー!」

パチパチパチ

やよい「今日作るのはこちら!」



伊織「......」

P「そうそう、カメラに見えるように.....よし、いいぞ」

伊織「......楽しそうね」

P「え?」

伊織「てっきり、アンタのとこを宣伝するためにアイドルやってるもんだと思ってた。でも、そうじゃないみたい。天ブリで働いてるやよいも、アイドルのやよいも表情は一緒......本当に楽しんでるのね」


P「.........」ニコッ

伊織「なによその顔っ」

P「い、いえ!」

伊織「ああいうの、ちょっと羨ましいとか思っちゃいけないわけ!?フン!」

P「......」

P「........彼女達は、人を喜ばせるためにアイドルをしています。天ブリも同じです。アイドルのファンだって、遊園地のゲストだって、何も変わらないんです。本業は、人を笑顔にすること。これだけです」

伊織「............」

伊織「本気なのね。皆も、アンタも.....」

P「えぇ」

伊織「........」

やよい「はぁい、ここでポイントなのが!」
25:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:28:29.72 ID:Fo4ybXgG0
@電車内


P「やよい、今日はよく頑張ったな。少しずつ視聴者の気持ちもわかってきて、テレビ向けになってきたよ」

やよい「そうですか!?嬉しいかもー!」

伊織「.......」

やよい「どうしたの、伊織ちゃん?」

伊織「何でもないわ。それよりやよい、収録素晴らしかったわ。見てて楽しかった」

やよい「ありがとー!ねぇ、伊織ちゃんも一緒にやらない?」

伊織「アイドルをってこと?」

やよい「うん!」

伊織「.........私はいいわ。私には水瀬パークがあるから」

やよい「う~....そっかー...」

P「........」
26:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:29:30.48 ID:Fo4ybXgG0
美希「今日も一日働いたの~!」ググッ

春香「一度も昼寝しないなんて、頑張ったね、美希!」

美希「ゲストがひっきりなしに来るから、寝るに寝られなくて....あふぅ」

律子「いや、寝る方がおかしいわよ」

P「明日は化粧品のCM、地方で食べ歩き、握手会....明日はもっと寝られないぞ」

美希「それはそれで楽しみだけどね」

真「千早も明日は激務じゃなかった?」

千早「激務かどうかは......」

P「仕事があることはいいことだ。千早の認知度も上げられるしな。それにしても......」

P「水瀬さん、まだいらっしゃったんですね」

伊織「私はやよいと話してるだけ。他意はないわ」

P「も、目的が変わってるような...」

伊織「何か言った?」

P「いえ、何も!」

亜美「とかいっていおりん、本当はアトラクションに乗りたいだけなんじゃないの~?」

伊織「違うわよ」

真美「正直に話しな......嘘はついちゃいけねぇ....」

伊織「アトラクションの楽しさなんて、こっちの方が数倍上だわ。遊びたいなんてこれっぽっちも思わない」

真美「そっかー」

雪歩「水瀬パーク.....私も一度は行ってみたいなぁ」

P「凄い所だぞ。高速回転する絶叫マシンや、一度は入ったら30分は出られないお化け屋敷とか!」

真「うわぁ!楽しそうですね!」

伊織「.....確かにアトラクションは一流でも、何かが足りない気がするのよね....うちでは感じない何か....」

あずさ「......」
27:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:30:46.12 ID:Fo4ybXgG0
P「なら、その原因を知るためにうちで遊んでみてはいかがですか?」

伊織「.......」

P「先日の手伝いのお礼もまだでしたし」

伊織「わ、私は」

やよい「伊織ちゃんと遊べるんですか!?わー!楽しいかも!」

春香「私も遊びたいです!」

美希「ミキの睡眠時間を使ってあげるから、楽しんでくれないと損なの」

真美「やっと遊べるよ亜美~!」

亜美「この時をどれだけ待ちわびたことか~!」

P「お前らは十分遊んでただろ....そうと決まれば行こう!」

伊織「あっちょっと!」

千早「あの、私は....」

P「もちろん。キャストじゃなくたって765の一員だ。千早も思う存分楽しんでいってくれ」

春香「案内してあげるからね!千早ちゃん!」

千早「えぇ....ありがとう、春香」

P「よし、アトラクションで親睦を深めちゃおう大作戦だ!」

真「だ、ダサい.....」

美希「それはないって思うの」

P「えぇ....」

やよい「(....あれ?プロデューサー、伊織ちゃんの遊園地には行った事ないって言ってたような......どうして知ってたんだろう?)」
28:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:31:42.56 ID:Fo4ybXgG0
@キラメキラリ


やよい「迫りくるモヤシを燃やしちゃいましょう!」

やよい「こうやってー....えーいっ!」

千早「接客してる高槻さんも可愛いわね」

春香「うんうん!」


@ジェラシーオブザザサン

伊織「待って待って!」

P「水瀬さん、もうすぐ高速ゾーンに突入します」

伊織「ちょ!そういうこと言わないでよ!余裕だからっていい気にならないでよね!」

P「いえいえ」

あずさ「あの~、案外余裕じゃない気が....」

P「余裕ですよ」ガタガタガタガタ

<かっか~!!

ギュゥゥゥゥ―――ン!!

P伊織「いやああああああああああああああああああ!!」


@黎明スターライン

真「ヒエムス!」

伊織「ネーブラ!」

雪歩「ヌービアム!」

亜美真美「テンペスタース!」

春香「インベル!」

千早「私もインベルに乗りたいのだけれど」

29:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:32:41.74 ID:Fo4ybXgG0
伊織「それじゃ私は帰るわね」

P「楽しかったですか?」

伊織「楽しいわけっ.....」

伊織「.....そうね、思ったより良かったわ」

P「それは光栄です」

伊織「........じゃあ」

やよい「バイバーイ!」

P「千早も楽しかったか?」

千早「はい.....皆がここを好きな理由がわかりました....ありがとうございます、プロデューサー」

P「礼なんて......千早が楽しんでくれて、俺も嬉しい」

千早「はい....」ニコ




@伊織車

新堂「何かわかりましたか、伊織お嬢様」

伊織「..........」

新堂「お嬢様?」

伊織「え?何か言った?」

新堂「..........楽しかったですか?」

伊織「そ、そうね......まぁまぁ」

伊織「...........」

伊織「(私は......支配人で、ただまとめ役として勤めてるだけ....楽しさなんて見出してないわ)」

伊織「(なのにあそこは....あったかくて......楽しくて....)」

伊織「(私が欲しいものがあるのね.....)」

伊織「ズルいわ.....」ボソッ
30:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:34:27.81 ID:Fo4ybXgG0
高木「.........」ピッピッ

prrrrr

高木「.....あぁもしもし、私だが....吉澤君かね?」

高木「うむ、キミに一つ頼みがあるんだが.....」



吉澤記者による天ブリ徹底解説取材の書籍が発刊され売り上げは上々。
早くも重版が決定した。各商品や広告、動画サイトとタイアップする事で動員数も右肩上がり。
二ヶ月置きに天ブリ内でイベントを行う企画は成功と見える。
誤解を解き、安全性を全面的に売り出す事で安心感を与える。
動員数の増加に比例してキャストの増加、役割分担の細分化、時給の繰り上げ....
出来る事なら何でもした。それが全体としての幸福に繋がる。
しかし数か月後、天ブリに魔の手が襲い掛かる。





黒井「.....765プロの歌姫....如月千早...」

黒井「フン!くだらん!」

コンコン

黒井「入れ」

部下「失礼します」

黒井「なんだ」

部下「765プロの如月千早に関してですが....」バサッ

黒井「.........ほう」

黒井「これは...面白い記事が書けるのではないか?」

部下「はい。早速取り掛かります」

黒井「.........ククク」

黒井「クククハハハ....ハァーッハッハッハッハ!」

黒井「待っていろ高木!お前の事務所が潰れるのも、時間の問題だ!!」
31:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:36:02.47 ID:Fo4ybXgG0
@出勤前 電車


ガタンゴトン ガタンゴトン

小鳥「(はぁ...今日も満員電車....)」

小鳥「(電車に揺らり揺られ、人混みに紛れる一羽の小鳥...)」

小鳥「(...なんで飛べないのかしら。人間って無力だわ...)」

小鳥「(もう...満員なんだから新聞拡げて読まないで欲しいわ...)」チラッ

小鳥「........え?」






@天ブリ

高木「おや?音無君はまだかね?」

律子「来てないです」

P「珍しいですね。もしかして遅延とか?」

ガチャ!!

小鳥「社長!」

高木「おぉ、大分慌てているね。でもまだ遅刻じゃないから安心したまえ」

小鳥「あっ、安心してる暇なんてないんですよ!」

P「?」

小鳥「これ!これを見てください!」

律子「新聞ですか?」



『 歌姫、如月千早 弟を見殺し 』



P「な....なんだこれは....!!」

高木「一体誰がこんな事を....まさか.....!」

P「社長、これはどういう事なんでしょうか?捏造...ですよね?」

高木「これは....真実だよ、キミ」

P「....真...実...?」
32:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:37:29.75 ID:Fo4ybXgG0
高木「このパークを出た一般道路での事故....その被害者は」

高木「紛れもなく、如月君の弟だ」

P「!!」

律子「弟....?」

高木「あぁ、二年前の惨事......しかしこの事は天海君や星井君、その他キャストは誰も知らない。当然、私が知っている事も、如月君本人は知らない」

高木「だから君が、如月君をスカウトした時、私は異常なまでに緊張した」

P「.........」

P「千早と初めて会った時、彼女は花を持っていました。でもそのまま持ち帰って...」

高木「道路の脇に置こうと思ったのだろう。持ち帰ったのは恐らく....遊園地の前に置く事を躊躇した、ということか」

P「気を使って....」グッ

P「どうして.....教えてくれなかったんですか」

高木「キミを混乱させないためだ。知らぬが仏、という諺もある。知らなけば傷に触れることもない」

高木「......申し訳ない」

P「......社長...」

高木「真実はもうひとつあってだね.....」

P「! 千早!千早はこの記事を!」

高木「わからない、しかし既に....」

P「俺、行ってきます!」

小鳥「プロデューサーさん!!」

ガチャ!

バタン!!

小鳥「あっ.......」

律子「......まさか千早が...」



車<ピピッ

ガチャ

バタン

P「千早!.....お前にそんな過去があったなんて!今まで知らなくてごめん!」

ブゥゥゥン

P「千早の家まで...クソ!遠い!....既にこの記事を読んでいる可能性も...!!」

P「.....千早!」

ブゥゥゥン....
33:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:38:36.13 ID:Fo4ybXgG0
@天ブリ



律子「社長...その、もう一つの真実って.....?」

高木「......もう話す時が来たか」

高木「彼、プロデューサーは―――」

ガチャ

伊織やよい真亜美「おはようございまーす!」

律子「!」

高木「.....話は後日にしよう」

伊織「(話?)」

高木「おはようアイドル諸君!いつも早めの出勤ご苦労!今日はイマイチ天気が宜しくないが、頑張っていこうじゃないか!」

やよい「はーい!」

真「(社長と律子、顔色が悪いな......。何かあったのかな?)」

亜美「なんか事務所が暗いよ?」

伊織「.......」
34:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:39:42.41 ID:Fo4ybXgG0
@天ブリ最寄駅

ポツッ ポツッ

春香「わっ、雨降ってきちゃった。傘傘!」

美希「ミキも入れてなの」ヒョコ

春香「もう美希~、こんな天気なんだから傘くらい持ってこないと」

美希「全然気付かなかったの」

サァァァァ....

美希「今日、そんなお客さん来なさそうだね」

春香「うん、雨降ってきちゃったしね」

美希「......雨のせいだけじゃない気がする」

春香「え?」

美希「そういえば千早さんは?待ち合わせしてないの?」

春香「今日はお休みみたい。体調が優れないって」

美希「ふーん.....」

サァァァ...



ザァァァァァァ



35:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:40:53.85 ID:Fo4ybXgG0
伊織「う~ん....」

真美「どったのいおりん?」

伊織「朝来た時、社長が話をパタっとやめたのよ。それも来た瞬間よ?なんだったのかしら...」

雪歩「私達が聞いちゃいけない話題なのかな?」

真「でも確かに、二人とも顔色が悪かったよね」

伊織「でしょ?やっぱり良からぬ話じゃないのよ」

やよい「じゃあ一体何の話なのかなぁ」

亜美「う~ん」

あずさ「........」

雪歩「天ブリが.....なくなっちゃうとか...?」

真「えぇ!?」

伊織「ちょ、ちょっと雪歩!縁起でもない事言わないでよ!」

雪歩「ご、ごめんなさい~!」


ザァァァ


やよい「凄い雨の音ですねー。室内なのに音が大きいです」

あずさ「ラッキーアイテムは確か傘だったわね~」

真「........」

伊織「そういえばプロデューサーはどこよ?アイツ朝から顔見てないわよ?」

真「今日は誰かの仕事.....いや、確かないって言ってたよね」

雪歩「うん」

伊織「風邪かしら?アイツが私達より遅れてくるなんてそうそうないものね」

ザァァァァ......

伊織「.....良く分からないけど、嫌な予感がするわ....」

真「ボクも。なんか胸騒ぎがする...」



ザァァァァァ.....!



36:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:42:37.14 ID:Fo4ybXgG0
@千早の住むマンション


ガチャ

バタン

P「....」

ピンポーン

千早『.......はい』

P「ち、千早、今日は雨がその、凄いから!迎えに来たんだ!」

千早『雨はさっき降ってきたばかりですが....』

P「うぐっ....」

P「(この声のトーン、千早は既に記事の存在を....)」

P「その.....千早、今は一人の方がいいと思うから、今日は帰るよ。仕事の方は俺が何とかするから!」

P「....」

千早『....プロデューサー』

P「なんだ」

千早『........』

P「........記事は読んだ。千早にあんな過去があったなんて知らなかった。無責任だった俺を許してくれ」

P「でも千早には、アイドルを続けてほしい。もっとファンのために歌って」

千早『.......簡単に....言わないでください』

P「ッ.......!!」

P「.....ごめん............でも、俺は千早のプロデューサーだ。悩みは出来るだけ解決してあげたい。いつでも頼っていいから」

千早『.....』

P「それじゃ俺は天ブリに戻る。.......体、壊すなよ」

千早『...........』

ザァァァァァァァ......



ブゥゥゥン....


P「....相当なダメージを受けてたな...」

P「............なんて無力なんだ、俺...」

P「これからどうすれば...」


雨とタイヤの音が混じり、車内に流れた千早の歌は完全に支配されてしまった。

悲しみを誤魔化しながら駆ける四輪駆動の物体。

アイドルとしての安定を保っていた765プロに取って、今回の件は思わぬ打撃だった。

しかし不幸中の幸いか、それは偶然如月千早が天ブリのキャストでなかったため、

天ブリへのダメージはそれほどではないと見られた。
37:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:44:23.66 ID:Fo4ybXgG0
@天ブリ事務所


春香「~♪」

伊織「そこのキー、ズレてるわよ」

春香「えぇ!?」

美希「デコちゃんは鼻歌でも厳しいんだね」

伊織「デコちゃんゆーな。それに春香は今直しておかないと後が怖いからね~」

春香「うぅ....もっと上手になりたいよぅ......そうだ、千早ちゃんに教えてもらっ」

やよい「千早さん、今日はお休みですー」

春香「あっ、そうだったね。風邪大丈夫かなぁ....」

律子「........」

あずさ「雨が一向にやまないわね」

春香「この天気じゃゲストは来なさそうですね」

やよい「さっき雷鳴ってませんでした?」

春香「嫌だなぁ雷...」

真「お昼だって言うのに、面白い番組ひとつもやってないなんて....」

伊織「本当。くっだらない特集ばっか」ピッピッ

『本日誕生した、パンダの赤ちゃんが――』

『ニューヨーク州でデモが起こり、近隣に住む市民は』

『如月千早さんについてですが―――』

『明日の天気は、全国的に雨が........』

春香「あれ?今千早ちゃんの話がなかった?」

美希「ミキも聞こえたの」

真「えっ?回してみるよ」ピッピッ

真「特集組まれるなんて予定表には書いてないけど」

『弟さんを見殺しにしたとして、如月千早さんの所属する765プロに大勢のファンが押し寄せています』

全員「え!?」

やよい「じ、事務所に人がいっぱいいますー!」

伊織「ちょっと律子!これはどういうことなの!?何で765プロがあんな状況になってるわけ!?」

律子「.....」
38:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:45:35.68 ID:Fo4ybXgG0
真「律子」

律子 ビクッ!

真「何か知ってるみたいだね」

律子「そ、それは....」

真「話してよ、律子。どっちにしろ一人だけで解決出来る問題じゃない。それにこれは、765プロ全体の問題だし」

あずさ「私からもお願いします。何も知らず、何も出来ずにいるのは落ち着きません」

律子「そうですね......では話します」

律子「千早は―――」




現段階で判明している事実。

如月千早の弟が天ブリ道路事故の被害者であったこと。

高木自身が今でも千早をアイドルとして扱っていることに躊躇していること。
39:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:46:27.38 ID:Fo4ybXgG0
律子「私が知っているのはここまで....」

真「そんなことが....」グッ

雪歩「じゃ、じゃあ千早ちゃんは今日...!」

律子「......」

春香「そのことが原因で休んでるんですね...」

美希「ねぇ、ハニーはどこなの」

律子「千早の家に向かったわ。恐らくその後、各局に誤解を解きに行ってるんだと思う。携帯も置いて行っちゃったから...」

あずさ「.......」

やよい「千早さんは、戻って来るんでしょうか...?」

律子「...わからない」

亜美「律っちゃん...」
40:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:47:15.04 ID:Fo4ybXgG0
真美「真美....やだよ...」

真美「せっかく千早お姉ちゃんと仲良くなれたのに...」

亜美「.......」

やよい「....私達は、どうすれば....」

雪歩「....」

春香「....美希、ジェラシー任せてもいいかな」

美希「うん、いいよ」

春香「ありがとっ...」

ダッ!

律子「ちょっと!春香!」

ガチャ バタン!

美希「.....今の千早さんに必要なのは、仲間だと思う」

美希「正直、ミキも行きたいけど...春香に任されちゃったから」

律子「.....」

美希「ミキ達は二人がいない間、天ブリを支えなくちゃいけないの」
41:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:49:04.59 ID:Fo4ybXgG0
亜美「.....亜美達、アイドル続けられるのかな?」

真美「あ、亜美!縁起でもないこと言わないでYO!」

亜美「ご....ごめん」

美希「今は....天ブリのことを考えるの。落ち込んでたって、何も始まらないよ」

律子「美希の言う通りだわ。春香やプロデューサーがいなくなった今、ここにいるのは私達だけ。頑張りましょう」

全員「はい...」

律子「......美希、ジェラシーは私が担当するから、あなたは自分の」

伊織 ピッピッ

伊織「......新堂?今天海ブリリアントパークにいるけど」

伊織「緊急事態よ。いくらか応援をよこしなさい」

伊織「任せたわ」ピッ

やよい「伊織ちゃん.....?」

伊織「なんかアンタ達を見てたら、いてもたってもいられなくなったわ。どうせ空回りして失敗するだろうから、この水瀬パーク支配人である伊織ちゃんが直々に出向いてあげるわ」

真美「い、いおりん........」

伊織「ジェラシーは私に任せなさい。律子は小鳥を手伝って、美希はフューチャーに専念して。さぁそれぞれ持ち場に!」

美希「デコちゃん!」ダキッ

伊織「ちょ、ちょっと!何抱き着いてんのよ!」

美希「.........ありがとっ...」ボソッ

伊織「..........」

伊織「もう....アンタ達がポンコツだから、仕方なくよ。仕方なくなんだから....」ギュッ
42:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:50:07.67 ID:Fo4ybXgG0
伊織「さて!東エリアに行くわよ!」

雪歩「東?ジェラシーは北だけど...」

伊織「何言ってんの?この伊織ちゃんが加入したのよ、パークが受けいれないわけないじゃない!ほら、見てみなさい」

真「........あっ、あれ!新しいアトラクション!」

伊織「開園まで徹底的に調べて今日中に回して見せるんだから!アンタ達、手伝いなさい!」

亜美真美「「ラジャー!」」

真「ボクも!」

雪歩「わ、私も!」

あずさ「私も手伝うわ~」

伊織「律子、それでいいわね」

律子「皆....そうね、一人の問題は皆で解決すべきよね.....」

律子「よし!今日はいつも以上に誠心誠意ゲストに尽くすこと!いいわね!」

全員「はい!」

伊織「(私がやりたかったことって何かしら?水瀬パークを繁栄させること?言いなりになること?)」

伊織「(違う......自分で決めて、何かの役に立つことだわ)」

伊織「『自分に正直に.....』」
43:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:50:56.86 ID:Fo4ybXgG0



【 Here we go! 】




水瀬プライヴェイトパーク総支配人、水瀬伊織のアトラクション。
伊織の友達であるシャルルと宇宙船に乗り、シャルルの国に案内される。
綺麗な情景や、可愛い生物とのふれあいで、女児向けアトラクションとされる。
なおシャルルの声は伊織自身が担当。

集客―B 時間―A 演出―B 設定―B
44:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:51:48.93 ID:Fo4ybXgG0
真「3列になってお並びくださーい!」

ゲスト「やぁ真ちゃん、今日も元気に頑張ってるねぇ!」

真「はい!」

ゲスト「今、すっごく大変なんじゃない?真ちゃんの所の子でしょ?」

真「千早ですね....はい」

ゲスト「俺はずっと真ちゃん達を応援してるから!何がったってファンをやめるつもりはないぞ!」

真「あっ、ありがとうございます!」ペコリ

「俺も応援してるぞ!」「頑張って!」「私も応援するわ!」「気にしてないよ!」

真「皆さん.....本当に....ありがとうございます!」
45:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:52:46.52 ID:Fo4ybXgG0
P「えっと次は....」

P「あっ、携帯忘れた....天ブリに置いて来たんだ」

P「....一旦戻るか」




@天ブリ

携帯<ピピピピピ!

律子「!」

律子「プロデューサーの携帯か...このストラップ...」

美希「そのストラップ、結構古いよね」

律子「これ、私が中学の時にプロデューサーの誕生日にあげたやつなのよ。お世話になってるからって」

美希「なんか、律子...さんとハニー、近すぎって思うな」

律子「そ、そんなわけないじゃない!」

美希「ふーん....中学の時っていうと、律子さんとハニーってふたつ違いだよね?」

律子「そうね」

美希「....あれ?ハニーの年は...高校を卒業して天ブリに入ったって...」

美希「.......オカシイ」

律子「何がオカシイの美希?」

美希「どう計算しても、ハニーの今の年齢と一致しないの」

律子「へ?....な、何を言ってるのよ美希!変なこと言わないで!」

美希「.....ハニーは今年で.....」

律子「そ、そんなわけ....?」

ガチャ

美希律子 ビクゥ!

P「あぁ、皆もう来てたのか」

美希「....おはようなの、ハニー」

P「おはよう」
46:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:54:11.98 ID:Fo4ybXgG0
P「そうか.....もう皆知ってしまったか...」

真「本当にビックリしました....千早にあんな過去が...」

雪歩「私...何も出来ませんでした」

あずさ「仕方ないわよ雪歩ちゃん」

伊織「...ここは自粛するわけ?」

P「......いや、自粛すれば千早に責任を課す様で逆効果です」

亜美「そうだよね...」

やよい「....千早さん、どうでしたか?」

P「相当ショックだったみたいだ。弟が、まるで千早に見殺しにされたように書かれて...彼女自身見殺しだと考え込んでいる」

真美「真美はさ、まだ子供だからハッキリ言えないけど、こういう事書いた人たちを....」

真美「許したくない」

P「..........そうだな。だが、まだこの記事を書いた張本人を」

伊織「今全力で調査中よ」

P「......本当助かります、水瀬さん」

亜美「そういえば兄ちゃん!いおりんアイドルになったんだよ!」

真美「765の仲間だYO!」

P「そ、それは本当ですか!?」

伊織「えぇ。だから、敬語はやめなさい。呼びも皆と同じ、名前でいいわ」

P「わかりまっ......わかったよ、えっと......」

P「いおりん?」

伊織「ちょっと!?アンタは普通に呼びなさいよ!伊織よ伊織!」

P「ハハっ....すいません」
47:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:56:13.43 ID:Fo4ybXgG0
P「春香の姿が見えないが....まさか」

美希「千早さんのところに行っちゃったの」

P「やはりそうか...。だが賢明な判断かもしれんな」

P「.......」

P「千早の家に言った時「気にするな」とか「大丈夫だ」とか、励ましたけど「簡単に言わないでください」って言われちゃったよ。本当にそうだよな。そこに居合わせたわけでもない第三者が......」

伊織「...千早も、本当はそう言いたくなかったハズよ」

P「あぁ、わかってる」

P「皆、今日の業務は順調に進んだか?」

伊織「進も何も、こんな悪天候で人が来るわけないじゃない。雷まで鳴ってるのよ?」

P「それもそうだな....アハハ....」

全員「........」



ポチッ

TV『台風が日本上陸し関東に...』

伊織「ちょっと、今テレビ付ける状況じゃないでしょ」

亜美「ひとつでも多く、千早お姉ちゃんのことを知れたらなって...」

伊織「.......そう」

『光の外へ心は向かっていく~』

P「この子....」

雪歩「四条さん....でしたでしょうか?」

P「そう、だな。もう一人が我那覇さん。覚えやすい名前だった」

美希「誰?」

P「一週間前くらいか、道端にこの二人が空腹で倒れてて...」

真美「助けたんだね、兄ちゃんはスカウトしなかったの?」

P「したよ。でも既に事務所に所属していたんだ」

P「961プロに」

全員「!」

伊織「(961プロ?確かここと仲が悪いとか.........)」

伊織「これは調べておく必要がありそうね」

P「何か言ったか?」

伊織「なんでもないわ」

P「.....とりあえず、千早をどうするかだ。あの状態なら、俺一人でどうこう出来る話じゃない」

真美「真美達も家に行ってみるよ」

雪歩「私も!」

P「ありがとう、そうしてくれるとありがたい」
48:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:57:19.70 ID:Fo4ybXgG0
@千早宅


春香「千早ちゃん、いるかな?」

千早『!.....』ガタッ

春香「いる、ね。.......第三者の私が言える事は限られてるけど」

春香「私は千早ちゃんを失いたくない」

千早『.......』

千早『.....さっき、プロデューサーが来たわ』

春香「うん、知ってる」

千早『あなたと....同じ事を言った。失いたくないって.....』

春香「.........」

千早『....私は優を守れなかった事だけを悔やんでいるんじゃない。何も関係ない、あなた達まで巻き込んでしまったこと』

春香「そんなの気にしなくていいよ!」

千早『!』
49:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:57:58.06 ID:Fo4ybXgG0
春香「何も関係なくなんかないよ!皆、千早ちゃんのために必死で動いてる!悩んでる!」

春香「赤の他人なら、そこまでしない!」

千早『..........』

春香「......確かに私は、その現場を見たわけでも知っている訳でもないから、言う権利なんてないかもだけど.....でも!」

春香「たとえ第三者でも、同じ仲間なら、心配して当然だよ!」

千早『.........』

春香「千早ちゃんは....千早ちゃんはっ.....私の大切な......友達だもんっ.....!」

千早『.....春香.....』

春香 ゴシゴシ

春香「千早ちゃん、私っ....」

春香「待ってるから!」

タタタタ......

千早「春香っ.......皆っ......」

千早「.......プロデューサーっ.......」
50:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:58:55.24 ID:Fo4ybXgG0
@千早宅から1km離れた場所


トボトボ....トボトボ.....

春香「........」

春香「(私の想像以上に、千早ちゃんの精神的ダメージが大きかった)」

春香「(そもそも、私ひとりじゃ何も出来ないことはわかっていたけど......悔しい)」

春香「.......」

冬馬「おっ、765プロじゃねぇか」

春香「....961プロの...!」

冬馬「その....大変だな、お前ら」

春香「え?」

冬馬「如月千早の事だよ。雑誌やテレビで結構目にする」

冬馬「心配する義理はないが......その.....気になったんでな」

春香「......」

春香「私...もっと酷い事言われるんじゃないかって...」

冬馬「なっ、俺はそんな悪党じゃ.......」

冬馬「いや....お前らにとってはそうかもな」

春香「......」

冬馬「お前らはライバルだ。そんな理由で潰れたんじゃ、張り合いの意味がないからな」

春香「....私達の事、ライバルって認識してくれたんだ」

冬馬「なっ!?....ま、前までは弱小でライバル視なんてしていなかったが、今のお前らはちゃんと値するからな」

春香「....ありがとう、冬馬君」

冬馬「お、おう.....」
51:◆9G12fmecqU:2015/11/27(金) 23:59:55.55 ID:Fo4ybXgG0
冬馬「さぞ、お前のところのプロデューサーも毎日大変だろう」

春香「うん、休んでる暇なんてないって」

冬馬「事件を挽回させるためには色々なことが必要になってくるからな。コソコソしてない所は評価してやる」

冬馬「.........そういや最近、オヤっさんがコソコソしてるんだよな...」

春香「怪しい?」

冬馬「まぁ。最近になってオヤっさんの部屋によく人が出入りするようになったり、笑い声は聞こえるし、なにより機嫌が良すぎる....」

春香「.........まさか」

冬馬「どうした?」

春香「ううん、何でも....ない」

冬馬「まぁ、この件に関しては俺が口を出す事じゃないかもしれんが」

響「ここで何してるさー?」

貴音「もう事務所に戻る時間ですが」

冬馬「おぉ、ちょっと765プロの奴と話しててな」

貴音「765プロ.....どこかで...」

響「......あー!あのプロデューサーの!」

春香「え?」

冬馬「え?」
52:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:00:51.34 ID:lgMhkA700
響「自分達、プロデューサーに空腹のところを助けてもらってね!」

貴音「あの時は真に感謝しております」

春香「そ、そんな事が....」

冬馬「へぇ...アイツが...」ポリポリ

響「.....そういえば、今大変なんだよね?」

貴音「わたくしもその報道には胸が痛みます。なんと仰れば良いやら...如月千早....わたくしがひそかに尊敬する人物でもありますから、余計に心配です」

響「今は辛いと思うけど.....自分達、765プロのこと応援してるぞ!」

冬馬「お、おい!コイツらはあくまでライバルだぞ!」

貴音「しかし天ヶ瀬殿、こういう時こそ手を取り合うのが、良きライバルではないでしょうか?」

貴音「と言いつつ、あなたも心配しているのでは?」

冬馬「.......お前に言われちゃ、何も言えねぇよ」

春香「......皆さん、本当にありがとうございます」ペコッ

響「気にすることないさ!えっと、春香達とプロデューサーにはすっごくお世話になったし!」

貴音「応援も出来ないようではバチが当たってしまいます」

響「出来る事なら何でも言ってね!」

春香「本当に...ありがとうっ...」グスッ
53:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:04:56.52 ID:lgMhkA700




P「千早、ここにファンレター置いておくからな」

P「.......待ってるのは、俺達だけじゃないから」

タタタ.....






千早「.......ファンレター」

ガチャ

千早「こんなに....たくさんっ.....」

『千早ちゃんの歌、聞きたいです』

『ずっと待ってます!』

『頑張って!僕たちは千早さんの味方です!』

『誰もあなたの敵じゃない』

千早「.........」

ペラッ

千早「こ.....これは......!」


『如月千種より』

54:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:06:05.39 ID:lgMhkA700
『あなたの記事を拝見しました。歌で人を幸せにして私も安心していましたが、まさかこんなことになるとは......。誰が何と言おうと、見殺しなどではありません。仕方のない状況でした』


千早「..........」


『しかしあの事件を一生背負うわけにはいけません。踏ん切りをつけないといけないのです。ずっと悔やみ悲しんでいては、何も変わりません。何より......』



『あの人まで亡くならなかった事を、不幸中の幸いと思ってください』



千早「..............」

千早「あの人.........?」
55:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:06:48.99 ID:lgMhkA700
@千早宅扉前



伊織「あのバカが戻ってきて何も収穫がなかったって嘆いてたわ。本当、役立たずなんだから」

伊織「....アンタの辛さには共感できないけど、共感してあげたい。皆そう思ってる」

伊織「......少しは、答えてあげなさいよ、千早」

「........」

伊織「........千早、アンタね」

千早『水瀬さん』

伊織「!.....な、何よ」

千早『.....気になる事があるの』

伊織「........」

伊織「入っても...」

ガチャ

千早「どうぞ」

伊織「.......やつれてるわね、ちゃんと食事はしているのかしら?」

千早「......えぇ」

伊織「....その調子じゃ、充分に食べてないようね」

千早「とりあえず、上がって」

伊織「わかったわ」
56:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:07:32.67 ID:lgMhkA700
伊織「散らかってると思ったけど、元々物がないみたいね」

千早「必要な物しか置いてないわ」

千早「まず.....これを読んでほしいの」

伊織「ファンレター?あぁ、プロデューサーが持ってきたのね。粋なことをするじゃな.....」

伊織「......これ、お母様から?」

千早「そうよ」

伊織「........」ペラッ

伊織「........」

伊織「......あの人まで亡くならなかった事を、良かったと思ってください....?」

伊織「これ...どういう意味?」

千早「.....」フルフル

伊織「..........」
57:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:08:28.37 ID:lgMhkA700
伊織「あの人っていうのは、運転手のことかしら?」

千早「運転手なら、運転手と書くと思うわ」

伊織「じゃあこれは.....直接お母様には聞けないの...?」

千早「.......」

伊織「....アンタの家庭事情がどうか知らないけど、今はアンタを尊重するわ」

千早「.......ごめんなさい」

伊織「謝らないで。直接聞いても混乱するだけ。徹底的に調べ上げるわ」

千早「私事を水瀬さんに任せて申し訳ないわ....私も、精いっぱいの努力をしてみる」

伊織「あまり、頑張りすぎないようにね」

伊織「じゃ、私はおいとまするわ」

千早「今日は、本当にありがとう」

伊織「それは私だけじゃなく、皆に伝えなさい」

千早「.......えぇ」

伊織「それと!アンタはちゃんとご飯を食べる事!痩せ細ってちゃ何も育たないわよ!」

千早「あの、それはどういう」

伊織「何でもない。それじゃ、頑張りなさいよ」

千早「.........」




@伊織車

伊織「新堂」

新堂「はい」

伊織「事件のこと、徹底的に調べて頂戴。隅から隅まで」

新堂「承知しました」

伊織「............」

伊織「あの人.......」
58:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:09:08.11 ID:lgMhkA700
高木「今日の業務はこれくらいにしよう。さ、帰る準備をしたまえ」

P「まだ報告書が....」

高木「明日でいいさ。それぞれ、持ち帰りたい気持ちもあるだろう」

律子「...........」

P「...では、お先に失礼します」

高木「うむ、ご苦労様」

ガチャ

バタン
59:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:10:10.42 ID:lgMhkA700
@亜美真美宅


ポチッ

『今週のCDランキングー!トップ5から!』

『若い世代から絶大な人気を誇るロックバンド――』

『そしたら裏で捕まってもうて!』

亜美「うーん」ピッピッ

父「面白いものやってないな、最近」

亜美「お笑いもやらなくなっちゃったちねー」

『一般道路で少年の命が.....』

父「あらら」

真美「うわぁ...タイムリーだね....亜美」

亜美「うん......」

父「道路か.....二年前の事故を思い出すな」

亜美「それって天ブリのこと?」

父「そうだな。あの時は大変だったよ。少年が車に轢かれてすぐうちの病院で手術をしたんだが....」

父「....もう手遅れだった」

真美「え!?手術したの!?」

父「あぁ」

亜美「しょ、衝撃の事実....」

父「もう片方の人は上手くいったんだがな。少年は助けられなかった」

亜美「もう片方?」

父「ん?そうだ、二人車に跳ねられてね、一人は助かったって話」

亜美「二人......?」

真美「あ、亜美.....真美には難しくて整理できない」

亜美「亜美だって無理だよ....」

父「?」
60:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:11:04.70 ID:lgMhkA700
@雪歩宅


父「どうかね、仕事は」

雪歩「はい、順調です....」

父「....まぁ気持ち的には楽しくはないだろう」

雪歩「......」

父「あの青年なら何とかしてくれるさ」

雪歩「お父さんもそう思いますか?」

父「あぁ、なんせ私の家に二度も入った度胸のある若者だからね」

雪歩「二回?」

父「うむ、屋台を二度作らされとは思っていなかったよ」

雪歩「......?」
61:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:11:42.49 ID:lgMhkA700
@961プロ


響「それでね、スタッフさんに『そこはギャギャーンって感じでお願い!』って言われて~」

貴音「ぎゃぎゃーん.....?果たしてそれはどういう意味なのでしょうか」

響「自分はダイナミックかなと思ったら違ったみたいで」

『それで、あの件は順調かね?』

響「社長?」

貴音「響、盗み聞きするものではありませんよ」

響「してないよ、聞こえたから気になっただけ」

『はい、765プロは次第に衰え、倒産も近いかと....!』

響「765プロが倒産...!?」

貴音「これはまさか!!」

『充分な注意を払っているんだろうな?』

『はい!』

『ククク....そうだ、それでいい。これで全て私の思い通りに』

バタン!!

黒井「な、なんだ!?」

部下「!?」

響「黒井社長!今の話、どういうこと!?」

貴音「盗み聞きとは少々無礼ですが、聞き捨てなりません」

黒井「.........」

62:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:12:20.63 ID:lgMhkA700
黒井「ライバルの事務所だ。潰して悪いのかね?」

響「潰すだなんて....!」

貴音「もしや....わたくし共をスカウトしたのは、765プロ失脚寸前までに追い込み、それに終止符を打つためのものだったと」

響「見損なったぞ!」

黒井「勘違いしてもらっちゃあ困るよ!私は“事実”を伝えたまでだ!それの何が悪い!」

貴音「ならば765プロで行われるはずだった仕事を横取りしたのは」

響「通りで自分に似合わない仕事が来るわけだな.....!」

黒井「横取りとは人聞きの悪い!765プロにはもったいないと思ったからこの私が戴いたのだ!」

貴音「下郎な.....っ!」

響「....!」ググッ

63:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:13:10.63 ID:lgMhkA700
貴音「黒井殿」

黒井「なんだ」

貴音「わたくしは、本日をもってこの961プロを辞めさせていただきます」

黒井「何だと....?」

響「貴音!」

貴音「響」

響「.......!!」

響「...自分も、ここをやめる!」

黒井「なっ!?」

黒井「ふ、フン!!勝手にしろ!今お前らを失っても何も痛くない!」

黒井「さぁ出ていけ!」

貴音「それでは失礼いたします。黒井殿....」

貴音「ありがとうございました」ペコッ

黒井「..........」

貴音「では....」

ガチャ

バタン

黒井「..............クソッ!」





響「貴音!これからどこに行くのさ!行く場所なんて....」

貴音「ひとつに決まっています。行く場所は.....」

64:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:14:27.24 ID:lgMhkA700
P「この雑誌もか......どこもかしこも千早のことばかり....」

春香「これも.....でもこれは酷いこと書いてないような...」

やよい「でも、千早さんが有名じゃないと雑誌って売れないですよね」

P「あぁ....これも千早が有名になった証なんだが....」

P「素直に....喜びたかったな...」

真「......」

やよい「ごめんなさい....余計なこと言っちゃってー....」

P「大丈夫だよ。千早は戻って来るから.....」

美希「.........」

ガチャ!

響「は、はいさーい!」

貴音「おはようございます」

全員「えっ!?」

65:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:15:07.24 ID:lgMhkA700
P「き、君は961プロの!」

高木「あぁ、確か四条貴音君と、我那覇響君....だったかね!?」

貴音「はい」

高木「何故君たちがここに...」

貴音「単刀直入に申し上げます」

貴音「わたくし、四条貴音と」

響「自分、我那覇響を!」

「「765プロに入れてください!」」

全員「........」

全員「えぇぇぇ―――――!?!?」
66:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:16:26.18 ID:lgMhkA700
亜美「ど、どういうこと!?」

真美「真美たちのキャパがパンパンだよー!」

高木「.....話を聞こう」

響「あっ、えっと!」

貴音「響」

響「うん、お願い」

貴音「.....わたくし達は、961プロ社長黒井殿にスカウトされ、アイドルの道を歩みました。しかし....それには目を反らせぬ事があったのです」

伊織「何よ、それ」

貴音「あなた方の抱える如月千早の問題...そのネタを売ったのは、まぎれもなく961プロです」

P「何!?」

貴音「この765プロを潰すため、黒井殿が仕向けた罠です。それが引っ掛かりこのような事件が.....」

響「自分達、それが許せなくてやめてきたんだ!」

響「だから、765プロに入れてほしいぞ!」

貴音「ダメでしょうか....?」

高木「私は一向にかまわんが.....どうするかね、キミ?」

P「そうですね......二人とも、キャストに興味は.....」

あずさ「あるみたいですね~」

P「え?」

春香「プロデューサーさん!南エリアにもう出現してますよ!」

P「そうか.....!歓迎するよ、二人とも!」

響「やった!」

貴音「感謝いたします、プロデューサー」

亜美「新しい仲間だね!」

貴音「『皆で力を合わせて乗り越えましょう!』」

響「『自分、完璧だから皆に負けないくらい助けになるぞ!』」

67:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:17:02.86 ID:lgMhkA700
律子「念願のレストランですね」



P「あぁ.....これでひとつテーマパークらしくなったな」

春香「響ちゃんのアトラクション、点検終了です!」



P「ありがとう春香」

P「.........」

P「俺、千早の家に行ってくる。それで、今回の件の真相を伝えてくる。それでどうなるかはわからないけど......彼女の気持ちが少しでも晴れるなら.......」

P「........あとは任せるか?」

春香「はい!」

律子「任せてください!」

P「頼む.....」
68:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:17:52.20 ID:lgMhkA700


P「待ってろ千早......!ハァハァ.....絶対に連れ戻すからな....ハァハァ...!!」





タッタッタ........

ガチャ!!

伊織「プロデューサーは!?」

やよい「ど、どうしたの伊織ちゃん!そんなに慌てて....」

真「プロデューサーなら千早の家に向かったけど....」

伊織「.......」

春香「何があったの?伊織」

伊織「..........どうせ知ることになるなら、今話しても問題ないわね....」

伊織「やっと調べてわかったの。アイツ....プロデューサーと千早の関係が....」

美希「え......?」
69:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:19:27.63 ID:lgMhkA700


【 Brand new day 】(右)

我那覇響が担当するアトラクション。
子供向けに作られた外観から内部はゲームと、少々変わっている。
友達の動物が連れ去られた響とペット達が、森や海、洞窟を探検し、
その途中で遭遇したモンスターを退治する。
仲間にすることも可能。
牢屋に閉じ込められたペットを救出したら終了。

集客―B 時間―A 演出―B 設定―B


【 風花 】(左)

天ブリ唯一の飲食処。四条貴音が担当。
ラーメンは当然、その他和洋完備。
体調管理に気を配り、料理は脂分控えめ。
特にラーメンのこだわりが強く、これを求めるために天ブリに入場する人も多い。
基本調理は専門に任せているが、貴音自信手伝うこともある。
貴音は主に看板娘役として、店の前で客寄せをしている。
70:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:20:01.48 ID:lgMhkA700
@千早宅


ピンポーン

P「千早、いるか?」

シーン.....

P「いない.....のか?」

シーン.......

P「いないみたいだな......思い当たる場所......あそこか!」

ダッ.....
71:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:20:56.99 ID:lgMhkA700




千早「.......」

P「千早!ハァハァ.....やっぱりここにいたか....!」

千早「プロデューサー!」

P「弟さんのお墓だよな.......来ると思ってた...」

千種「あ、あなたは!!」

P「え?誰ですか....?俺を知って......」


ズキィィンッ!


P「かっ.....痛っ.....頭.....」

千早「だ、大丈夫ですか!?プロデューサー!」

千種「プロデューサー....?それじゃあ....!!」

P「頭痛が.....はっ!」




キキィィィ!!

ガン!!

キャァァァァ!!

ダイジョウブカ! シッカリシロ! キュウキュウシャ.....






P「あぁ.....思い出したっ....!俺は.....俺は.....!!」





72:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:21:43.79 ID:lgMhkA700



伊織「....プロデューサーは、千早の弟をかばった」

春香「え....?」

伊織「例の事故....被害者は二人。それがアイツと千早の弟、優。でもあまりの咄嗟の出来事に対処しきれず、年下の優だけが亡くなってしまった....」

真美「じゃ、じゃあどうして兄ちゃんはそれを言わなかったのさ!」

伊織「言えなかったのよ。部分的記憶喪失、医者はそう言ったわ。あなた達のパパがね」

亜美「パパ.....?」

真美「パパが治療したって言ってたのは、二人の事!?」

伊織「えぇ」

亜美「............」
73:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:22:27.67 ID:lgMhkA700
伊織「失った記憶は、優を助けた前後。律子のことを覚えていたんでしょう?」

律子「そうね...」

律子「.....そういえばプロデューサー、遊園地に就職するって話、結構昔にしてたわ」

伊織「それよ、私もずっと引っ掛かってた。水瀬パークに来た事ないクセに、うちと似たようなアイデアは出すし、パークについて妙に熟知している.....」

伊織「調べた結果....アイツは、研修でしばらく水瀬パークに来ていたのよ。それで合点がいった」

雪歩「屋台を二度作ったのも....記憶が残っていたから....?」

伊織「そう考えるしかないわ」

伊織「そして.....アイツが不器用で、絶叫系を極度に怖がる理由はわかるわね?」

あずさ「事故の.....後遺症.....」

真「そんなっ....!」
74:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:23:15.79 ID:lgMhkA700



千種「私とあなたのご両親は....あなたが息子を庇ってくれたことを秘密にしていたんです」



P「どうして....ですか?」

千種「あなたが.....優が死んだのは、自分のせいだと思い込むと.....」

P「っ.....」

千種「でも私達は、あなたに感謝しているんです....あなたにそれを伝えたくて....でも記憶を失ってて....千早もショックで.....」

千種「今....今やっと言えたんですっ.....」ホロ...

P「.......」

千早「ごめんなさい、プロデューサー.....私、感謝しなければいけないのに....迷惑をかけて....」ボロボロ

P「泣くな.....千早っ.....お前は悪くないっ......悪くないんだ.....うぅ....」

P「くそっ.....くそぉ......」

75:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:24:03.79 ID:lgMhkA700
千早「プロデューサー....私、戻ります。765プロへ....」

P「千早っ....」

千早「それがっ.....あなたへの恩返しだと思うから.....」

P「馬鹿野郎......恩返しなわけあるかっ.....子供一人救えなかったのに.....うぅっ....」ボロボロ

千種「そう仰らないでください....あなたには感謝しているんです.....」

P「うぅ.....グス........うああぁ」

P「あぁぁぁ...........」ボロボロ




慟哭、狼狽、嗚咽。

交錯する、様々な感情。

悲しみ、苦しみ、切なさ、悔しさ......

それが全て、涙と共に流れてゆく。




P「....戻ろうか千早......765に....」

千早「はいっ......お母さん」

千種「何かしら....?」

千早「今まで....」

千種「ダメ、千早。謝るのは私の方よ....ごめんなさい、千早」

千早「..........」
76:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:25:03.51 ID:lgMhkA700
@765プロ


春香「千早ちゃん!プロデューサーさん!」

美希「.....」ダキッ

P「こ、こら美希.....」

千早「皆、今まで本当にごめんなさい......私のせいで迷惑かけて....」

真「そんなことないよ!」

雪歩「うん!帰ってきてなによりだよ!」

やよい「気にしないでください!」

千早「......ありがとう.....」

伊織「アンタ、結構苦労してたのね.....」

P「君のことも思い出したよ、伊織。プライヴェイトパークで世話になったこと.....」

伊織「そう.....私もよ。プロデューサー」
77:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:29:28.48 ID:lgMhkA700
千早「春香、強く当たってごめんなさい.....私、感謝しなくちゃいけないのに....」

春香「気にしないで千早ちゃん!私は....千早ちゃんが帰ってきてくれて......嬉しくて....グスッ....」

千早「本当に......ありがとう......」

春香「うん......うん.......」

美希「ハニーも......ずっと頑張ってたんだね....」

雪歩「知らなくてごめんなさいっ....うぅ....」

P「いいんだ....そんなの....」

春香「プロデューサーさん....」

やよい「うぅ......」

千早「私は....このまま歌い続けていいのでしょうか?」

貴音「なんと」

響「歌わなきゃだめだぞ!」

律子「そうよ!」

P「千早は歌で人に何かを伝えることでができる.....歌おう」

千早「........そう、ですか....」

千早「わかりました...」

千早「『歌い続けます....思いが伝わるならっ....』」

千早「.....」

千早「あのプロデューサー....私を、天ブリに入れてください」

全員「えぇ!?」

P「ち、千早!?何か負い目を感じてないか!?無理しなくても....」

千早「無理はしていません。私が今こうやっていられるのは、ファンや皆のおかげです。それを一番に伝えられる方法は....歌と、ここで働くことだと思います」

千早「だから....ここで働かせてください!」

P「.......」

千早「ダメでしょうか.....?」

P「俺は大歓迎だ!皆はどうだ!?」

全員「はい!」

千早「ありがとうございます.....では、明日から色々教えて....」

ドゴゴゴゴゴゴゴ.....

ゴゴゴゴゴ!!

P「!?」

春香「プロデューサーさん!」

P「あぁ.....でもこの感じ.....」

美希「いつもと違うの!!」

P「行くぞ皆!」
78:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:30:28.27 ID:lgMhkA700
P「なっ!?二つ!?」

響「一人にふたつってこと!?」





春香「揃ったんじゃないかな....?」

雪歩「揃った?」

春香「うん、あの青いアトラクションは、多分千早ちゃんの。でもあのステージみたいのは.......」

春香「私たち全員のものだと思う。アトラクションじゃなくて、私たちが歌うためのステージ」

真「言われてみれば.....」

千早「私のアトラクション....」

律子「でも、肝心の名前がないわ!」

P「ほ、本当だ!名前がない!」

やよい「なんて呼べばいいんでしょうか?」

P「とりあえず今のところは、ステージでいいと思う。春香の言う通り、アトラクションではなさそうだ」

貴音「真、不思議ですね....」

P「二手に分かれよう、俺はステージを見るから皆は千早のアトラクションに回ってくれ!」

全員「はい!」

美希「しっかり残業中なの」

春香「もう美希~、こういう時はそういうこと言わない!」

美希「はいなの~」

タタタ.....
79:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:31:28.55 ID:lgMhkA700
@一方961プロ....


冬馬「おっさん、話は全部聞かせてもらったぜ」

黒井「貴様ら!余計なことを!」

冬馬「じゃあな、アンタとはこれでお別れだ」

翔太「じゃあね、黒ちゃん」

北斗「お世話になったよ」

黒井「なっ!?ま、待て!待つんだ!!」

バタン

黒井「クソッ......!」

黒井「クソォォォォォ!!!」






如月千早は見事復活した。

母親との和解、真実、それを語った吉澤による記事が多くの読者、ファンの涙を誘った。

そし後、765はオールスターライブの開催地を天ブリに決め、それぞれがレッスンに取り組んだ。

ステージに名前がなくても、開催条件としては十分だった。

多忙でも彼女達の笑顔は絶えない。




そして迫られる――――




―――――ひとつの選択。



80:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:32:09.82 ID:lgMhkA700




【 BlueBird 】

歌姫をモチーフに、空の海賊兼音楽隊のアトラクション。
如月千早が担当。
己が蒼い鳥に乗って、音楽隊の演奏を楽しむ設定。
老若男女、全てのゲストに人気のアトラクションである。
演奏は本格的で、そこに捕虜の身である千早の歌も加わる。

集客―A 時間―B 演出―B 設定―A
81:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:33:47.68 ID:lgMhkA700
@数週間後 ライブ前日



美希「ハニー......ちょっと話があるの」

P「どうした?浮かない顔して......」

美希「ふるふるフューチャーに来てほしいの.......」

P「わ、わかった」

春香「真面目な話かなぁ。美希だとちょっと怪しいかも....」

美希「春香も、来て」

春香「え?」



@ふるふるフューチャー内部



P「(どこか故障でもしているのか?でも、それならそうと言うハズだよな....)」

P「(それに、春香を呼んだ理由は?)」

美希「見て」

P「これは........」



⑤Day of the future



春香「これって、ずっと謎だった5番.......ついに出たんだね!」

P「でも何故今なんだ?何か条件が....とりあえず体験してみようか。下見をしないと出せないからな」

美希「うん.......」

モニター<ピピッ


『これが、天海ブリリアントパークへ続く道』


P「美希が主人公か。園外がテーマとはこれまた変わった....」


『それで、これがアイドルの道』


春香「え.....?」


『ミキは、どっちに行けばいいの?どっちを取ればいいの........?』


P「こ、これは............」

82:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:34:57.39 ID:lgMhkA700
美希「............」

美希「.......千早さんのアトラクションが出た時にね、これに気付いたの」

美希「ミキね、選べなかった。どっちも.....選べなかった」

春香「美希..........」

美希「春香なら、どっちを選ぶ......?」

春香「私は............」

春香「うぅん、私も.....選べない」

春香「だって.....どっちも大好きだもん!アイドルも天ブリも!それに喜んでくれるゲストも.....ファンも.....!」

春香「選べないよ.......選べないっ.....!」

P「.............」

83:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:36:25.13 ID:lgMhkA700
P「天ブリは、俺達に何を求めているんだ............?」

P「何故選択させる?二兎追うものは一兎も得ずっていうことか?片方が疎かになるからか?」

P「違うな.........」

P「元々天ブリは、アイドルの宣伝のために生まれた遊園地.......しかしそれが今、宣伝が必要なくなった今......天ブリの存在意義とは?」

美希「ねぇハニー.....ハニーは、ゲストのミキとアイドルのミキ......どっちが好き?」

P「.........どっちも好きだ。同じ輝きだからな」

美希「同じ輝き....?」

P「キャストの顔、アイドルの顔....春香の言うように、喜びはどんな形であれ皆同じ........」

P「俺は......両方叶えたい」

P「だってここは、春香や美希がずっと背負ってきた大切な場所だから.....俺は離れたくない。決めるのは俺じゃないが、春香達が続けたいなら全力でサポートする」

美希「でも.....両立は難しいよ....キラキラしたいっ....!」

美希「『キラキラしたい!』」

P「......考慮するさ、皆に負担がかからないように何とかする」

春香「それじゃあプロデューサーさんが!」

P「俺の事なんか気にするな。プロデューサーだ、なんでも任せろ」

春香「っ.........」
84:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:37:06.47 ID:lgMhkA700
P「ずっと....二人で支えてきたんだもんな」

美希「うんっ.....」

P「....大変だったな」

春香「はいっ....」

P「二人の答えに、皆納得してくれるさ」

P「これから、どうする?」

春香「私は.....アイドルも天ブリも....続けたいです!」

美希「ミキだって.....!」

春香美希「天ブリを.....やめたくない!!!」

P「わかった.....!!」

P「忙しくなるぞ!二人とも!!」

春香美希「「はい!!」」

春香「『これからもずっと.....よろしくお願いします!』」

P「あぁ!」

P「よし...!それじゃあまずはそれぞれ役割を....」

真「プロデューサー!」

P「おぉ真、どうした」

真「アトラクションが光ってるんです!ぜ、全部!」

P「何!?行こう二人とも!」

85:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:37:47.87 ID:lgMhkA700
タッタッタ.....


真美「兄ちゃん!黎明もスタートスターも光ってるんだYO!」

雪歩「コスモスもですぅ!」

P「何が起こってるんだ....!」

伊織「....!!皆、よく見たら一部分が光ってるわよ!」

響「え!?あっ、本当だ!」































P「T....H....E....IDO....」

P「THE IDOLM@STER.....」

P「そうか.....!ステージの名前だ!!!」
86:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:40:18.40 ID:lgMhkA700
@LIVE当日


高木「はぁ、やっと間に合ったよ!」

P「社長、もう始まりますよ」

小鳥「早く早く!」

高木「危ない危ない....さて、集大成だね」

P「この日のために必死に頑張ってきました」

高木「キミや律子君、音無君に心から礼を言うよ。本当にありがとう」

P「俺は彼女たちの背中を押しただけです」

高木「ははは、謙虚だねぇキミは」

P「いえ.....」

高木「.........これからも、よろしく頼むよ」

小鳥「私からもお願いします!」

P「はい、よろしくお願いします」
87:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:42:14.14 ID:lgMhkA700
ワァァァァァ!! キャーキャー! ワァァ!! パチパチ


春香「今日は本当にありがとうございました!」


「「「ありがとうございましたー!!」」」


春香「皆さんのおかげで.....ここまで来ることが出来ました!」

春香「それでは最後に聞いてください......」


「「「虹色ミラクル!」」」

ワァァァァァァァァァ!!

~♪

『空が晴れて、虹が輝いています』

あずさ「窓を開けよう、虹が見える♪」

『明日からラッキーに頑張りますよぉー!』

やよい「明日はラッキーのサインだよね!」

『....歌い続けます....思いが伝わるならっ....』

千早「心合わせてハモった歌は、大空にも届くのかも♪」

『皆で力を合わせて乗り越えましょう!』

貴音「皆がそれぞれの♪」

『自分、完璧だから皆に負けないくらい助けになるぞ!』

響「カラーを持ち寄ってRainbow!」

『キラキラしたい!』

美希「あのキラキラの橋を渡れ!」

『光をください!』

雪歩「さぁ集まれ光たち~♪」

『自分に正直に.....』

伊織「目を開いて見る夢は♪」

『一員として!』

律子「一人では ねぇ 作れない♪Dream Dream七色ストーリー♪」

『東は任せてよ兄ちゃん!』

真美「この右手に憧れを♪」

『西は任せてね兄ちゃん!』

亜美「そう左に情熱を♪」

『握りしめて、走ってく!』

真「握りしめ、また駆けだそう!」

『これからもずっと.....よろしくお願いします!』

春香「初めて会う未来へ!」
88:◆9G12fmecqU:2015/11/28(土) 00:43:23.32 ID:lgMhkA700





春香「ようこそ!」







「「 天海ブリリアントパークへ!!! 」」










おしまい
89:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/11/28(土) 05:36:40.59 ID:iJv1nmaeo
乙です
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11月30日 00時00分|アイドルマスター0コメント

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